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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第538回

AtomベースのSmall CoreがTremontと判明 インテル CPUロードマップ

2019年11月25日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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 前回インテルの今後のロードマップを解説したのだが、これまで触れてこなかった話題が1つあるので今回はそれを説明したい。

モバイル向けプロセッサー
Lakefieldを1月に発表

 今年1月にインテルはLakefieldという、新しいモバイル向けプロセッサーを発表した。このLakefieldは3Dパッケージング技術であるFoverosをベースに、Sunny CoveベースのBig CoreとAtomベースのSmall Coreをミックスするという、ARMのbig.LITTLEのような構成になっている。

Foverosを採用するLakefield。CPUコアは10nmのSunny Cove Coreを採用したBig Coreが1基と、10nmベースのSmall Coreが4基

 AndroidはともかくWindowsでbig.LITTLEをどう扱うつもりなんだろう? と最初に見たときには首をひねったのだが、よく考えるとマイクロソフトはARM版Windows 10を提供する段階で、big.LITTLEを実装している。

 というのはQualcommのSnapdragonがまさにbig.LITTLEを利用しているので、Windowsのスケジューラーがこれに対応できないとまずい。

 この段階ではおそらくはARM版だけがbig.LITTLEをサポートしているものと思うが、インテルが同様のプロセッサーを出せば、マイクロソフトはこれをx86(なのかx64なのかはまだ不明だが)向けに移植することはそれほど困難ではないだろう。

AtomベースのSmall Coreが
Tremontだと判明

 さて、話を戻すと1月の段階では、Big CoreはSunny Coveであることが明らかにされたが、Small CoreはAtomベースのもの、という以上の話ではなかった。

 このSmall Coreに関してもう少し詳細が明らかにされたのは、今年8月に開催されたHot Chips 31である。“Lakefield: Hybrid cores in 3D Package”と題された講演で、Small CoreがTremontであることが確認された。

SNCがSunnyCoveの略なのもあれだが、TremontをTNTと略すのもどうかと思う

 Tremontというコード名そのものは昨年12月に行われた2018 Architecture Dayのロードマップで出ていたものの、その詳細は一切明らかにされていなかった。HotChipsでも内部構造の話は一切出なかったが、性能グラフが示された。

Tremontの性能グラフ。左側のグラフはまた、SunnyCoveの性能はTremontの2倍程度に抑えられている、という風にも読める。もっともこのあたりは動作周波数などの関係もあるため、アーキテクチャーベースでどうか? というのはまた別の話だ

 このグラフから、以下のことがわかる。

  • TremontはSunny Coveに比べてより少ない消費電力でも駆動できる。おそらく動作周波数の下限がより下になっていると思われる。ただし相対性能で50%あたりでクロスオーバーするあたり、あまり高速動作に向いた構成にはなってないはずだ。
  • 4コアのTremontが1コアのSunny Coveよりも高い性能を出せる。Relative Powerが60%ほどのところで、Sunny CoveのRelative Performanceは48%程度、他方4コアのTremontは87%程度で、倍近い性能になっている。

 ところで少し気になるのは、右側のグラフ。インテルとしては以下の使い方を考えているようだ。

  • シングルスレッド性能が必要なシーンでSunnyCoveコアを利用
  • マルチスレッド性能が必要なシーンではTremontコアを利用

 単純に負荷が軽いときにはTremont、という感じではなさそうだ。このあたり、どういうスケジューラーの実装が求められるのか興味深い。

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