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国内最大級ドローン展示会「Japan Drone 2021」で見た、注目の最新ドローン

水空両用や水中ドローン、ドローンを使った調査の実例、ソニー製最新ドローン

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テラ・ラボの「Terra Dolphin 8000」

国内最大級のドローン展示会、幕張メッセで開催
飛行機型の巨大ドローンや、水空両用ドローン

 国内最大級のドローンの展示会「Japan Drone 2021」が、6月14日から16日までの3日間、幕張メッセで開催された。

 主催は一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、共催はコングレ。ドローンの実機や関連するソリューションが展示されたほか、「ドローンの社会実装」をテーマとした講演も催され、会場を一周しただけでドローンのトレンドがわかる、大規模な展示会となった。

 コロナ禍での開催ということもあり、入場人数にキャパシティーの50%以下・または5000人以下という制限を設けていたため、広大な空間をゆっくりと歩いて見て回れる空間だった。

 スタートアップ企業のドローンを中心に、会場に展示されていたドローンの実機を、その特徴と共に紹介する。

大規模な展示会は、コロナ以前は歩けないほどに人が集まるのも珍しくなかったが、今回はキャパシティーの50%以下という入場制限を設けていたため、人はまばら。各ブースをゆっくりと見て回れた

 会場内でも最大級の大きさで注目を集めていたのが、テラ・ラボの「Terra Dolphin 8000」だ。

 全長4800mm、全幅8000mmという大型のドローンで、多くのドローンで一般的なプロペラでなく、固定翼を採用している点が最大の特徴だ。

 その特性上、形状は飛行機にも似ている。レシプロエンジン、水素燃料電池、ジェットエンジンを動力としているので、一般的なドローンのように滞空はしない。用途としては、大規模災害時の現地調査などが想定されているといい、ある程度広い範囲を飛行して調査するような用途に適するモデルだ。最大飛行時間は20時間、最大飛行距離は20kmと、駆動時間も非常に長い。

エバーブルーテクノロジーズの水空両用ドローンのプロトタイプ「Type-P」

 飛行機型のドローンとしては、エバーブルーテクノロジーズが展示していたドローンのプロトタイプ「Type-P」にも注目したい。

 Type-Pは、同社が開発する水空両用ドローンのプロトタイプで、目的地までは飛行して移動し、着水後には帆走で移動できる。どの形状も、ヨットと飛行機の掛け合わせといった雰囲気だ。

 帆走の速度には限界があるが、飛行することで、目的水域までの素早い移動を可能にしている。

参考出品として、木工のコンセプトモデルも展示した

 また同社は、参考出展のコンセプトモデルとして、VUILDと提携して3D CAMを使った制作した、小型自動操船モノハルヨット(Type-M1)の、木製ボディーも展示していた。

 産業革命以降は金属やFRPが船の主な材料になっているが、同社は、古来、船が木製だったことに改めて着目。カーボンニュートラルな社会に向けた取り組みの一環として制作した。

 コンセプトモデルとしての展示だったものの、その加工精度は極めて高く、流線型の美しいヨット形状が引き立っていた。材料の視点からドローンを見直すという試みはまだ珍しいが、今後は重要視されるかもしれない。

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