Dataflowにすることで
生産性が大幅に改善
もう1つ厄介なのは、MLではしばしば疎行列(要素の値が0の項目)が非常に多いことで、これをうまく計算から省ければ、実効パラメーターの数を減らして性能を高められるという話である。
一般的な解決策はグラフをきちんと認識して処理することという話であって、前回紹介したGSPもこうしたことに着目したプロセッサーである。
ではRDUはこれをどうやって解決するか。まず先ほども出てきたSoftware 2.0なる話。Olukotun博士によれば、Dataflowにすることで、生産性が大幅に改善するとする。
Googleの50万行のコードがDataflowだと500行になった、というのはTensorFlowをDataflowで書き換えたら500行で収まったという話だそうだ。もっともこれ、Googleの元文献が見つけられなかったので、これだけではなんとも言えない
これは前提として、さらに内部構造をDomain Specific Languageで記述できるようにすることで効率をさらに上げよう、というのが基本的な発想である。
ここで言えば汎用のロジックを組み合わせて畳み込みを実行するのではなく、それぞれの用途に適した処理ロジックを使うことで効率を上げるわけだが、専用ユニットを実装するのは実装効率に劣る。だったらReconfigure Processorを入れてしまえ、というのはあまりにも無茶な気がする
このDomain Specific Languageの実装がRDAにつながるというところが、RDUのブッ飛んだところである。
PCUの内部はSIMDのフローティングユニットと中間レジスター(PR)を挟む多重構造になっており、このPRで処理内容を柔軟に変更できる。
ここで言うパターンとは、上の画像の左側に出てくるさまざまな処理のパターンを意味する。要するにPRの内容を細かく変化させることで処理の内容を変更できるというもので、構造は違うが基本的な発想はGF11のMemphis Switchを思い出すものがある
一方のPMUの方だが、こちらはPRUに似ているものの、最終出力をScratchpadに書き込める点が異なる。
ただ純粋にメモリーユニットではなくフローティングユニットも内蔵しているあたりがやや毛色の変わったところだ。
例えば畳み込みで言えば、最後に総和を求めるところでは一時的にバッファがどうしても欲しいところで、そうしたケースはPMUを、その前段階の掛け算はPCUを使うといった使い分けを想定していると思われる。これらを利用して、例えば単純な畳み込み2層の処理なら下の画像のように実行できるわけだ。

この連載の記事
-
第858回
デジタル
CES 2026で実機を披露! AMDが発表した最先端AIラックHeliosの最新仕様を独自解説 -
第857回
PC
FinFETを超えるGAA構造の威力! Samsung推進のMBCFETが実現する高性能チップの未来 -
第856回
PC
Rubin Ultra搭載Kyber Rackが放つ100PFlops級ハイスペック性能と3600GB/s超NVLink接続の秘密を解析 -
第855回
PC
配線太さがジュース缶並み!? 800V DC供給で電力損失7~10%削減を可能にする次世代データセンターラック技術 -
第854回
PC
巨大ラジエーターで熱管理! NVIDIA GB200/300搭載NVL72ラックがもたらす次世代AIインフラの全貌 -
第853回
PC
7つのカメラと高度な6DOF・Depthセンサー搭載、Meta Orionが切り開く没入感抜群の新ARスマートグラス技術 -
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 - この連載の一覧へ
















