●「サブブランドは3つも4つも作ればいい」
NTTの完全子会社となるNTTドコモとしても、ドコモ本体で大幅な値下げを展開すれば、かなりの出血を伴うことは間違いない。
髙橋社長も「NTTドコモを完全子会社化することでNTTは投資家に約束していた成長を実現できる可能性が出てきた。しかし、大規模な値下げを実行すると約束していた成長が達成できなくなる恐れがある。そう考えると、あまりむちゃくちゃな減益は出せないのではないかな」と見る。
そんな中、NTTドコモが取れる手段の1つがサブブランドの創設だ。NTTドコモブランドではなく別ブランドで安価なプランを提供することで、菅首相の圧力をかわすことができるはずだ。髙橋社長も「(NTT社長の)澤田さん。サブブランドは3つも4つも作ればいいとか言っていた。だからそっちに行くのかな」と推測しているようだ。
NTTドコモは現在、TOB(株式公開買い付け)中であり、身動きが取れない状態だ。10月末に総務省からアクションプランが出た場合、最初に動くのはKDDIかソフトバンクか、それとも楽天モバイルか。
これから年末にかけて、4キャリアの睨み合いが続きそうだ。

この連載の記事
- 第160回 NTT、メタバースは「コミュニケーション特化型」で勝負
- 第159回 KDDI髙橋社長、楽天スペースモバイル計画に疑問符
- 第158回 auとソフトバンク、デュアルSIMでドコモからユーザー奪う?
- 第157回 ドコモ「dポイント」楽天ポイント追い出して経済圏拡大?
- 第156回 ソニー・ホンダは「Xperia」のようにクルマを作る
- 第155回 「ヘタしたら世界10番手」日本が5Gで大きく出遅れた理由
- 第154回 ドコモが三菱UFJ銀行と連携 キャリアの金融事業は総力戦に
- 第153回 楽天プラチナ問題、ドコモの提言で解決か
- 第152回 スマホ半導体で競争激化 クアルコムvs.メディアテック
- 第151回 クアルコム「Snapdragon 8 Gen 2」発表 20万円クラスのスマホは何が変わるのか
- 第150回 「1円スマホ」転売問題 通信と端末の分離は正しかったのか
- この連載の一覧へ