■買い替え圧力はこうしてやってくる
まず3年目。まだ新車保証も残っており、車検を通さず新車に乗り継げば、維持費の出費は最小限で済みます。すでに大きめのマイナーチェンジが入り、微妙に型遅れになっていることも買い替えを後押しする材料に。ちなみに4年周期でモデルチェンジが行なわれていた昭和の時代は、これが王道の買い替えパターンでありました。
そして5年目。そろそろモデルチェンジの噂も出てきて、新型予想図と称する下手なCGがどこからともなく流れてまいります。このソワソワした空気感の中、型落ちになる前に買い替えよう。ローンの支払いも済んだことだし、2度目の車検を通す前の今がチャンスだ。なんて思惑が買い替えを後押しします。
そして7年目。すでに新型が発表されて型落ちとなり、もう自動車メーカーのプッシュもありません。そのせいで新型を持ち上げたい評論家の皆さんが旧型の欠点をはっきり言うようになり、旧型オーナーの心を順次折って行く手筈になっています。
それに屈せず3度目の車検を通すと、そろそろ下取り査定は期待できなくなってきますから、乗り潰す覚悟が必要です。その後の買い替えの焦点は、維持費の上昇にどこまで耐えられるか。一般的なタイミングは、事故や大きな故障で同年式の中古車価格より修理費用が上回った時でしょう。
まあ、ここまで来たらドーンと行きましょう。事故も起こさず車台さえしっかりしていれば、補修部品の供給が止まらない限り乗り続けられます。10年10万キロが目安なんて昔の販促用語でしかありません。いまの日本車は耐久性も高く、まめに整備をしていれば20年や30年は平気です。
そうやってクルマに乗っていると、新しいクルマを乗り継ぐより断然お得なことが分かってきます。少しずつ部品を交換することで、クルマの仕組みに詳しくなってくる。整備工場やパーツ屋さんなどとの付き合いも増え、プロの経験値に感心したりもするようになります。
こうして度重なる買い替え圧力の波状攻撃に耐え抜き、ちょっと旧いクルマとの生活が楽しくなってきた頃、人をゲンナリさせる最終ステージがやって参ります。
増税です。
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