■キャリアと競合するSIMフリーに参入
これまでソニーモバイルは、「Xperia 1 Professional Edition」などの例外を除いて、SIMフリーへの参入に乗り気ではありませんでした。
その背景として、日本のスマホ市場はキャリアが大半を占めているという事情があります。MM総研の調べでは、2019年のスマホ出荷台数におけるSIMフリーの比率はわずか10.4%です。
各キャリアはMVNOやSIMフリーへの流出を警戒しており、あの手この手で囲い込みを図っています。SIMカードの「使い分け」ができてしまうデュアルSIMも歓迎していません。
そこで端末メーカーは、キャリア向けにはシングルSIM仕様のハイエンドモデル、SIMフリー向けにはデュアルSIM仕様のミッドレンジモデルと、展開機種を分けるのが通例でした。最近、キャリア採用が増えたOPPOも、しっかり前例を踏襲しています。
こうした視点から見ると、Xperia 1 IIの発売日は10月30日とキャリア版から約半年遅れになっており、キャリアへの「配慮」を感じる面はあるものの、これまでの慣習を打ち破るという意味でも、勇気のある決断といえます。
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