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私→WRC 第10回

茂原の女王、初のWRCルール「セントラルラリー」で3位表彰台!

2020年01月08日 15時00分更新

文● 板倉麻美 編集●スピーディー末岡/ASCII

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Leg2はクラス3位でゴール!

 一夜明けて、Leg2スタート。連日とっても良いお天気! なのですが、今日のSSは少し曲者。レッキのときの印象が「暗い、苔、滑る」という「明智」コースが最初のステージです。

 朝イチのコースということもあって、路面はまだジメジメとしています。なんといっても怖いのが、路面の苔にさらに霜が降りてツルツルなこと! 私たちのマシンはブレーキにちょっとしたトラブルを抱えていたので、ブレーキペダルを長く踏み続けないと減速し辛く、制動距離がかなり長めの印象。荒れた路面で踏み続けるのはとても危険なので、かなりの安全マージンをとって臨みました。

 「この速度でこんなに滑るの!?」とヒヤリハットが何回もありましたが、なんとかフィニッシュ。後半の田んぼセクションはアクセルを踏み抜けたのでとても気持ちよかったなぁ。

 この日はモリコロパーク内でのショートSSもあり、ギャラリーの数もすごいことに! スタート前では、競技車両がズラズラーっと一列に並んで待機。WRカーやR5といったマシンたちが一台ずつタイヤを温めながらスタートに向かう姿は、選手じゃなければ見れない光景で感動。1台目の勝田貴元選手が派手に魅せてくれたので皆さん「なんだよ。俺もカッコよくやらなきゃダメじゃん」と言いながら次々にスタートしていました。

 本当にたくさんのギャラリーが見てくださっていて、走りながらすでに来年の開催が楽しみになってきました。

 その後は特に大きなトラブルもなく、クラス3位/総合15位で無事に完走&表彰台獲得! ほぼ半年ぶりの完走に、思わずゴール後にうるっときてしまいました。このまま完走できないのかもしれないと弱気になっていたのでひと安心。でも、2位とは8秒差……。悔しい~!

 2位のクルーとはゴール後にお話する機会があったのですが「板倉さんのタイム見ながら走ってたよ!」と言われて気恥ずかしい気持ちに。対等の選手として見てもらえるというのは励みになります。

 表彰式では、人生初のシャンパンファイト! やり方がまったくわからないので、全日本ラリー常勝で今回も優勝した天野智之選手と井上裕紀子選手に教えてもらいました。実は「シャンパンはお互いかけないようにしようね」と事前に紳士協定が結ばれていたのですが、2位の選手がこちらに向かってくるではありませんか。え、かけないんじゃなかったの? やられたぁ~! でも、楽しかった……。

 後日この様子を動画で見ると、私とまどかちゃんの慣れてなさが際立っていましたね。ともあれ、こうして私の2019年の挑戦は幕を閉じたのでした。

 もちろん楽しいことばかりではなく、リエゾンでの大ミスコースやSSでのドライビングミスも多く、かなり課題の多い一戦でした。限られた時間の中で、お互いにできることを確実に増やしていかなければいけないね、とまどかちゃんとも話し合いました。来年は更に高いハードル(WRC)に挑戦するわけで、まどかちゃんとも体当たりで成長していかなければ。

 ラリー経験もなくただ一人でサーキットを走っていた私が、スポンサーさんや関係者の皆さんに支えられて、こんなチャレンジをさせてもらえて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 そして今このレポートを読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。SNSでも応援していただくことが増えて、本当にうれしいです。至らない点も多いとは思いますが、もっともっと気合い入れて走りますので、2020年もお付き合いください!

 なんだか最終回みたいですが、今年もまだ連載は続きますよ~!

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