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新車を買った情報2019 第34回

マツダ ロードスターRFに入れるエンジンオイルで悩む

2019年11月11日 12時00分更新

文● 四本淑三、編集● ASCII

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モービルVS.カストロール

 さて、問題はこのグレードの線引きです。グループⅣとグループⅤが、昔から化学合成油と呼ばれていたものですが、近年は鉱物油から精製されたグループⅢまで化学合成油と呼ぶようになったそうです。つまり、化学合成油が安くなったのではなく、安かった鉱物油が化学合成油になっていたのであります。

 それはカストロールが、グループⅢの基油を使った製品を「化学合成油」として売り出したが始まり。化学合成油のパイオニアであるモービルは、その呼称を止めるようアメリカの広告審議会に訴えます。ところが、敗北。以降、グループⅢは化学合成油と呼んで良いことになり、ほかのメーカーも倣うようになりました。おかげで化学合成油、全合成油、100%化学合成油などと表示された、素性の違う製品が市場に並ぶことになったわけです。

 ならばグループIVやグループVの基油を使う、昔ながらの化学合成油は、その旨表示して差別化すればいいではないか。と、思うわけですが、製品によってはコストや性能のバランスからグループIIIの基油をブレンドせざるをえなくなり、一律、化学合成油と呼んでいるようです。

 この件でカストロールを悪く言う人もおりますが、安くて高性能なオイルが製造できるようになった、技術の進歩は歓迎すべきことであります。ただ、もともと選ぶのが難しかったオイルは、一層わかりにくいものになりました。モービル1もカストロールEDGEも、基油についての表示はパッケージのどこにもありません。

 性能は確かなのでしょうが、私には確かめるすべがない。オイルは心の痛みを抑えるものでもありますから、エンジンに対する性能が優れていると同時に、自分の心も納得させたいわけであります。

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