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私→WRC 第6回

試される大地で敗北

板倉&梅本、北海道ラリーで初のリタイヤ! WRC参戦に黄信号

2019年08月17日 12時00分更新

文● 板倉麻美 撮影●中島正義 編集●スピーディー末岡/ASCII編集部

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初グラベルのLeg1は
うまくいかないジレンマに悩む

 そしていよいよLeg1がスタート。今までのターマックラリーと違い、周りを見る余裕も、運転の引き出しもない私は、正直何が起こっているのかわからない状態で、とにかくコーナーをひとつひとつ抜けていきます。

 まずはSS1、比較的路面が硬くてそこまで荒れてはないのですが、とにかく慎重に。慎重に慎重に走ってるのにフラフラする! でもめっちゃブレーキも効く! 実は今回からウィンマックスさんの4ポットモノブロックキャリパーを導入したのです。高価なキャリパーなのにグラベルで傷だらけ。心が痛みます。

 なんとかSS1を無事に走り終えると「怖かったぁ~(涙目)」と思わずつぶやき、まどかちゃんに「大丈夫ですよ!」と早速励まされます。

 リエゾン区間は昨日たくさん走ったおかげで、少しわかりにくい道も迷うことなく進めました。まどかちゃんと日常会話やマル秘女子トークで気持ちをほぐしながらSS2へ。

 この約10kmのSSは、レッキの時と比べて路面が違いすぎることにまず驚き! 硬い路面の所はそうでもないんですが、柔らかい所はものすごい轍になっています。とくに私のような後半ゼッケンだと、WRX STIやランエボなどの四駆勢に路面をゴリゴリ掘られて、かなりの深さに。うまく進入しないと変にひっかかってゴロン……なんていう恐ろしい話も耳にしていたので、かなり慎重に進みます。

 ただ慎重になりすぎると、ヴィッツちゃんは余計に危険な動きをして変な汗がドバドバ。私の異常な発汗からか、途中からガラスがものすごい勢いで曇っていきます。見えない~! 窓を少し開けて対処しますが改善されず。サービスに戻ったら相談しよう!

 そしてSS3、今度はもっと長い14km。ここを乗り切ればサービスに戻れる! とにかくひとつひとつのSSを全力で乗り切ることと、グラベル路面に慣れることが目標なので、色々と感触を試しながらゴール。前半をなんとか走りきって、やっと自分に笑顔が戻ってきました。

 サービスパークでは曇り止め対策や増し締めをしてもらって少し休憩。午後はもう少し踏めるように頑張ろうと出発したのですが、アクセルを踏んでいくと、どうしてもその動きに自分のカウンター速度がついていきません。不安定な路面では早め早めのステアリング操作が重要なのですが、まだまだ車からの情報を得られず、リヤが滑り出してからステアリングを戻す、という悪循環。

 SS4ではスピン、SS6では崖に向かって止まるという危険な場面も増えてきました。もっといろんな挙動を試したい、経験を積みたい。でも頑張って踏むほど危険な動きになる、というジレンマでかなり悩み始めてしまいます。タイムも大幅に落としてしまいました。

 その日の夜、色んな人にもらったアドバイスをもとに一人で反省会。轍の走り方や、カウンターの当て方、心構えなど。もっともっともっと頑張らないと。でも何を頑張れば……。なんだかどうしていいかわからなくなってしまって、これは寝れないかもと心配したのもつかの間。気づいたらめっちゃ寝てました。

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