2年契約でも違約金は「上限1000円」に(総務省資料)
総務省が進める携帯電話料金に関する議論の中で、「違約金の上限1000円」や「端末割引は2万円まで」といった方向性が固まり、この秋にも省令として施行されることが現実味を帯びてきました。
はたして携帯料金は本当に安くなるのでしょうか。総務省が公開した資料から、次の展開を予想してみましょう。
■「ポイント還元」などの抜け道もしっかり規制
総務省が公開した資料「モバイル市場の競争促進に向けた制度整備(案)」からは、携帯キャリアの料金プランについてあらゆる角度から制限をかける意気込みが伝わってきます。
携帯料金は許認可制ではなくキャリアが自由に決められるため、総務省が具体的な料金プランを指示することはありません。その代わり、2年契約を途中解約する際の違約金は「上限1000円」、2年契約の有無による差額は「月額170円」など、これまで以上に強い制限をかけてきました。
これに対し、大手キャリアは抜け道を見つけることで規制を骨抜きにしてきたとの批判もありました。そこで今回は端末代金の値引き以外にも、ポイントや商品券の提供や下取り価格など、さまざまな形での「利益の提供」を規制しています。
総務省の狙いは、ユーザーに選択の自由を与えることで流動性を高め、料金の値下げ競争を促すことです。しかし高額なキャッシュバックもなくなったことで、多くの人はキャリアを乗り換えるモチベーションがないとの指摘もあります。
そこで総務省はさらに過激な策として、長期利用の割引も規制しました。割引額の上限は1ヵ月分の料金の範囲とのことから、月額8000円のプランの長期割引は1ヵ月あたり666円が限度になる計算です。
かつてのキャッシュバック合戦のように大手キャリア間での乗り換えはそれほど増えないにしても、サブブランドやMVNO、そして10月に参入する楽天に移行しやすくなる効果は期待できそうです。
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