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石川温の「動き出している5Gビジネス」 ― 第10回

沖縄と九州との間に新しい海底ケーブルを敷設すると発表

自宅のネット回線で5G利用も KDDIのインフラ強化

2019年04月09日 06時00分更新

文● 石川温 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP

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 5G時代に突入すると心配になってくるのが通信トラフィックの増加だ。5Gでは、「高速大容量」「超低遅延」「多数端末接続」の3つが特徴となっているが、ネットワークが高速大容量になれば、それだけ大量のデータが流れるようになる。

 特に最近はYouTubeやNetflix、Amazon Primeビデオなど、動画コンテンツが人気となっているが、5Gスマホが一般的になれば、さらに動画のデータが増加することは間違いない。また、アメリカではすでにベライゾンが一部のエリアで5Gを始めているが、固定回線の代わりとしてのサービスとなっている。固定回線の代わりなので、容量無制限で使えるというのが特徴だ。日本でもUQコミュニケーションズがWiMAX 2+を固定回線の代わりに使えるような据え置き型のルーターを販売しているが、まさに、「モバイル回線を家庭で使う」という流れも増えつつあるのだ。

 2020年から日本でも5Gが本格的にスタートしようとしているなか、キャリアの中には、ネットワークの強化に乗り出すところが現れてきた。沖縄セルラーは、KDDIの協力のもと、沖縄と九州との間に新しい海底ケーブルを敷設すると発表したのだ。新しい海底ケーブルは、鹿児島県日置市から、東シナ海側を通り、沖縄県名護市に陸揚げされるルートとなる。全長は約760キロで2020年4月の運用開始を予定している。現在、海洋調査が行われており、今年の春ごろから工事に着手する計画だ。回線容量は80Tbpsで、5Gの商用化をにらんでの工事となる。

 KDDIでは、すでに太平洋側ルートに2本、海底ケーブルを敷設しており、九州と沖縄を結んで通信が行なえる状態となっている。しかし、大規模な地震などで、ケーブルが切断されてしまったら、通信が途絶え、救助活動や支援物資の輸送にも影響を及ばしかねない。2本の海底ケーブルで冗長性は確保しているが、できれば別のルートにも確保しておきたいということで、東シナ海側に海底ケーブルを敷設することになったという。ちなみに、この2本での回線容量は合計で8Tbpsであり、新設されるケーブルは、その10倍ということで、相当なトラフィック増にも耐えられるようになる。

 沖縄セルラーでは現在、那覇市内の中心地、旭橋駅前にデータセンターとオフィスビルを併設した免震構造のスマートビルを建設中だ。ビルと沖縄県内にあるネットワークセンターと繋ぐことで、5G時代の沖縄経済活性化に貢献できるような存在を目指すという。

 5Gが本格普及することで、莫大なトラフィックが発生すると見られている。当然のことながら、街中の基地局も、それ相当のデータ通信容量に耐えられるようにしなくてはいけない。実際のところ、5G対応の基地局にはどれくらいの容量が求められているのだろうか。

 KDDIの斎藤重成ネットワーク技術本部長は「既存の基地局は1Gbps程度の回線が敷設されているが、5G対応ともなれば10Gbpsは必要になる」という。つまり、いまより10倍程度のネットワークが求められるというわけだ。

 ちなみに、5Gサービスをすでに提供しているベライゾンでは、28Ghz帯の周波数であるため、200メートル程度しか電波が飛ばない。そのため、200メートル間隔で基地局を設置しているところもあるという。5Gの高速大容量によって、新しいサービスなども生まれてきそうだが、一方で、そうした5Gネットワークを支える固定網の高速化、強化も急ピッチで必要になってきそうだ。

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