最新パーツ性能チェック 第252回
CPU占有率を下げてゲームプレイも配信もPC1台でこなす
GeForce RTX&新NVENC、OBSで高画質ゲーム配信できるって本当?
2019年03月14日 13時45分更新
Forza Horizon 4では優劣の傾向が異なる
続いては「Forza Horizon 4」でも試してみよう。Far Cry New DawnはDirectX 11ベースだが、こちらはDirectX 12ベース。CPUやGPUの使われ方もFar Cry New Dawnとは対照的で、Forza Horizon 4のほうがマルチスレッドに最適化されている。
テストはFar Cry New Dawnと同様、ベンチマークモードをOBSで録画する。画質は「ウルトラ」、解像度は1920×1080ドットとした。グラフ中の「GPU-」で始まる項目はGPU内部で処理しているフレームレートで、実際にユーザーに観測される平均フレームレートは「Avg」で示す。
非常に興味深い結果が得られた。旧NVENCよりも新しいNVENCのほうがフレームレートが高いところは同じだが、CPU(x264)を使って録画したほうがより高いフレームレートが出たのだ。
ベンチマーク結果をよく観察してみると、NVENCを使った時はベンチマークと録画ともに微妙なカクつきが発生していた。順序的にはベンチマークでスタッターが発生し、それがNVENCで微妙なコマ落ちとして現われるといったところだろう。これについては後ほど原因を追求する。
こちらも同様に、VBR 40Mbpsで録画した際のフレームレートも比較する。
8Mbps時と同様、NVENCを使った場合はスタッターが発生するため若干フレームレートが落ち、むしろx264を使ったほうがゲーム上のフレームレートが高いという結果を得た。
しかし、録画したものの品質をチェックすると、NVENCは微妙なスタッターは出ているものの全体としては鑑賞に耐えるものなのに対し、x264で録画した場合はfastでもmediumでも派手にコマが飛んでしまい、とても観られたものではない。高ビットレート録画ではCPUを使わないNVENCが圧倒的に有利なのだ。
それでは画質比較といこう。上から順番に新NVENC(心理視覚エフェクト+Look-ahead)、新NVENC(心理視覚エフェクト)、旧NVENC、x264 fast、x264 mediumとなっている。
8Mbpsで比較した場合はエンコーダーの癖がハッキリとわかるシーンがあった。特に顕著なのはアスファルトのテクスチャーや車の輪郭、そして高速で通過する看板の文字の3点だ。
NVENCだと中距離にあるアスファルトのテクスチャーが完璧に消えてしまっているが、看板の文字は比較的しっかりとしている。また、旧NVENCよりも新NVENCのほうが車のディテールや看板の文字の輪郭がよりハッキリと描かれる。
これに対し、x264は中距離にあるアスファルトの質感が辛うじて(ややブロックノイズぽくなっているが)残されている反面、車のディテールや看板の文字に滲みが見られる。特にx264 fastではそれが顕著だ。アスファルトのテクスチャーを表現しようとするあまりビットレートを消費してしまい、他の部分がおろそかになったという感じだ。この辺はエンコーダーのバランス感の違いとも言えるだろう。
続いて40Mbpsでは、どのエンコーダーも中距離のアスファルトの質感がよく再現できており、ディテールもパキッとしている。しかし、x264はまだ文字の輪郭が微妙に甘い感じだし、何よりコマ落ちが激しくて鑑賞には適さない。
この理由は簡単で、Forza Horizon 4はCPUのマルチスレッド化が進んでおり、各コアの占有率が元々高いからだ。そのため、x264ではCPUパワーに余裕がなくなってしまい、激しくコマ落ちするのだ。Forza Horizon 4に関しては言えば、高ビットレート録画するならNVENCが圧倒的に強いことになる。

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