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STARTUP×知財戦略第12回

「CEOが語る知財」:メトセラ代表取締役Co-Founder&Co-CEO野上健一氏インタビュー

勝てる特許取得こそゴール メトセラを強化した知財アクセラレーション

2019年03月01日 07時00分更新

文● 松下典子 聞き手・編集●北島幹雄/ASCII STARTUP 撮影●平原克彦

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 株式会社メトセラは、心不全向けの再生医療等製品を研究・開発する再生医療スタートアップ。2016年3月に創業し、これまでに3件の特許を出願している(1件は登録済み、2件は出願中)。心臓の組織再生を助ける「線維芽細胞」を用いた心不全向けの細胞医薬品を開発する同社の特許は、特許庁の知財アクセラレーションプログラムの支援を経てどのように進化したのか。代表取締役Co-Founder&Co-CEOの野上健一氏に、話を伺った。

本シリーズ「CEOが語る知財」は、特許庁の知財とスタートアップに関するコミュニティサイト「IP KNOWLEDGE BASE for Startup」とASCII STARTUPによるコラボ企画としてお届けする。

知財なしでは創業すらままならないバイオ系スタートアップ

 メトセラ最初の特許出願は、創業2年前の2014年にさかのぼる。共同代表の岩宮貴紘氏が、東京女子医大の博士課程の在籍中に行なっていた研究がコアとなった。岩宮氏が個人で特許を出願し、メトセラ設立後に権利を移している。現在は、そこから派生した特許2件を新たに出願中だ。また外国出願費用の半額を補助する「中小企業等外国出願支援事業」も2年連続で活用し、海外での出願も進めている。

 創業前に特許を取得しているのは、バイオ業界ならではの事情もある。「バイオがほかの業界と大きく違うのは、MVP(minimum viable product:実用最小限の製品)ができてもすぐに販売するわけにはいかないこと。まず動物実験、人への治験などを経て、段階的に進めていかねばならず、製品化への道のりが非常に長い。いわゆるJカーブが深い業種であり、膨大な資金調達が必要になります」(野上氏)

メトセラ代表取締役Co-Founder&Co-CEOの野上健一氏

 同社の場合、創業、エンジェル、シード、シリーズA1、A2の計5回と、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成金などを含め、約9億円を調達しているが、3年間ですでにかなりの資金を費やしているという。

 「経営コンセプトとして、戦うならアクセルを踏めるだけ踏む、と決めています。役員を含めるとメンバーは14人。さらに外部のアドバイザーとして医師や研究者、弁護士、弁理士にも入っていただき、やれることはすべてやれるように、万全の体制で事業を進めています」

 創業3年目になり、現在は動物実験のめどがつき、2020年後半からの治験の開始を目標に進めている。だが、実際に収益が得られるのはまだまだ先。ビジネスとしては相当の賭けでもあるが、それは投資する側も同じだ。

 「創業時にNEDOから助成金を出してもらえたのも、早くから特許を出願していたことが大きい」と野上氏は強調した。

 出願している知財について、特許権はいずれも100%メトセラが所有している。このことが事業上のフレキシビリティーという点でも有利に働いているそうだ。

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