冬でもロードスター大丈夫理論
この手のクルマが嫌がられる理由は、フロントエンジンで後輪駆動であること。略称FRなんて言いますが、これはもう雪道で走れないクルマの代名詞のように言われております。ほかにも「寒いのにオープンって馬鹿なの?」「車高低くて大変だねえ」「燃費悪そう」と散々な言われようであります。
それぞれ言い返したいところですが、かくいう私も35年ぶりに北海道へ戻ってきたばかり。北海道で自分のクルマを持つのも、FRを自分で所有するのも、これが初めてであります。くわえてマニュアルトランスミッションにも30年のブランクがありまして、ちょっとくらいはシフト操作や挙動の確認をしたかったですねえ、雪が降る前に。
ところが予定は遅れに遅れ、ついにスタッドレスタイヤ装着で納車となってしまいました。いきなり冬、これで走るんであります。
「いや、全然平気だから」と、お店の社長にキーを渡されるわけですが、この男もまた中学の同級生でして、おまけにレースもやるような人なものですから、まあ容赦ありません。そらあんたは平気だろうが、俺の身にもなってくれ。
なんて泣き言を言っても始まりません。書類の準備が終わり、公道へ放っぽり出される前に、私は納車までずっと考えていた「冬でもロードスター大丈夫理論」を、念仏のように唱え続けたのであります。
「オープンでも寒くない」は常識
まずオープンでも寒くない。これは常識であります。特にマツダは、昔から風の巻き込みが少ないエアロキャビンを作るのが上手でありまして、ヒーターさえ効かせておけば頭寒足熱の状態が保てるのであります。
問題は路面状況。いかにもオープンカー日和の、晴れた暖かい昼間が一番厄介なんであります。陽が当たっている路面では雪や氷が融け、それを周りのクルマが跳ね上げる。おかげで融雪剤や泥にまみれた飛沫を浴びせられかねない。
それでもチャンスさえあれば、私はオープンで走る気満々であり、クルマの方も躊躇なくオープンにできる。それがRFの利点で、幌と迷ったときに、まあこっちにしとくか、ということになった理由でもあります。
走りやすい日は、適当に冷えて路面が締まっている。当然ながら寒いわけでして、気温が低いと、幌は硬化してまいります。表面が凍結した状態で無理に開けると、幌が切れて防水が効かくなってしまう。だから初代や2代目のロードスターのオーナーの方は、たいがい冬用にハードトップを確保されているようです。
ただ、あんまり寒くても、頭寒足熱どころの騒ぎではなくなるのではないか。そこらへんの塩梅が未知数なもので、不安といえば不安でありますねえ。
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