ベンチャーの商機は欧州にあり ジェトロ支援プログラムで仏VIVA TECHへ
グローバル展開を目指すなら、海外展示会へ出展するのが有効だ。スタートアップの海外進出先といえば、シリコンバレーやアジアが定番だが、近年は欧州もエコシステムの構築に力を入れている。特に、仏マクロン大統領の主導する「フレンチテック」の取り組みは世界から注目を集めている。
そんなフレンチテックの勢いを象徴するかのように、いま注目を集めている展示会が欧州最大級のスタートアップイベント「VIVA TECHNOLOGY」だ。次回は2018年5月24日、25日にパリで開催され、欧州進出の足掛かりをつくるには絶好の機会といえる。
日本貿易振興機構(ジェトロ)は、欧州でのビジネス展開を計画している中小企業やスタートアップを支援する「欧州イノベーション・ミートアップ」を展開している。その取り組みのひとつとして「VIVA TECHNOLOGYコース」の参加企業を募集中だ。応募締め切りは4月3日、必要書類必着は4月4日まで。限られた滞在期間で確かな手応えを得られるように、十分な準備をして挑みたい企業はぜひ確認してほしい。
ピッチトレーニング、メンタリング、マッチングで欧州進出をがっちり支援
2018年3月22日に開催された「IoT&H/W BIZ DAY 5 by ASCII STARTUP」のジェトロブースでは、支援策が来場者やブース出展社に紹介されていた。
欧州イノベーション・ミートアップ事業は、英語でのピッチトレーニング、欧州アクセラレーターとのメンタリング、欧州の投資家や大手企業とのマッチングの機会の提供などのプログラムで、日本の国内企業の欧州展開をサポートするものだ。
VIVA TECHNOLOGYコースは、ビジネスモデル構築研修「Boot Camp」、「メンタリング」、「VIVA TECHNOLOGYの出展と現地プログラム」の3つのメニューで構成される。
Boot Campは、展示会の約1ヵ月前にJETRO本部で開催される3日間の集中講座だ。欧州でのマーケティング、ブランディング戦略、ピッチトレーニング、欧州ステークホルダーとの関係構築、欧州VCやベンチャー企業の動向などの講義が予定されている。
国内企業同士であれば、お互いに共通認識がある前提で交渉を始められるが、海外企業との交渉では、イチから説明しなくてはいけない。
「たとえば、ある課題を解決するためのプロダクトが欧州でも同様に需要があるか。競合する企業についてもリサーチしておく必要があります。アプローチの方向性や、フォーカスの当て方が妥当であるか、をメンタリングやピッチ発表からトレーニングも実施し、海外でアピールするための話し方、スライドの作り方などのノウハウ指導も受けられます」(新田氏)
メンタリングでは、ジェトロが契約するメンターによるメンタリングを、スカイプなどで利用できる。今回は、パリを拠点とするアクセラレーター企業「NUMA」と契約しており、メンタリングを受けられる。なお、メンタリングは、展示会の会期終了後も2019年11月下旬まで無償で利用できるそうだ。
展示会では、ジャパンパビリオン内に各社の1テーブルの展示スペースが用意される。VIVA TECHNOLOGYは、2017年度実績で6000社ものスタートアップが参加する大イベントだ。1社でブースを出すよりも、ジャパンパビリオン内で数社が集まって出展するほうが注目も集めやすいのも参加するメリットのひとつだ。展示会の前後には、会場内でのピッチイベントへの参加、StationFなど現地エコシステム視察、フランスのVCや大手企業、地方有力クラスターとのマッチングなどのプログラムが用意されている。
募集件数は10社程度を予定。参加費用は、ジャパンパビリオンの出展費用(約10万円を予定)のみで、Boot Campやメンタリング、現地でのマッチングなどは無料だ(渡航費用、宿泊費などは自己負担)。
欧州企業との商談会、セミナーも随時開催
欧州イノベーション・ミートアップ事業は、今回募集のVIVA TECHNOLOGYコースのほか、2019年2月末頃にバルセロナで開催される「4YENコース」を2018年9月ごろに募集する予定だ。また、欧州企業との商談会や、イノベーションセミナーを随時開催している。
「VIVA TECHNOLOGYコース」スケジュール
オンライン申し込み締め切り:2018年4月3日正午(必要書類は2018年4月4日必着)
Boot Camp:2018年4月23日~4月25日
現地視察(Paris, Nantes)&トレーニングプログラム:2018年5月21日~23日
VIVA TECHNOLOGY出展:2018年5月24日、25日(一般公開となる26日は不参加)