クラスタ処理で数千万サンプル級の予測モデル生成を高速化「分散版異種混合学習技術」
NECが「高い精度と説明力」を備える独自の機械学習技術を強化
2016年05月27日 07時00分更新
社会インフラを支える人工知能には、人間を納得させる「説明力」も必要
NECでは、この分散版異種混合学習技術の開発をさらに進め、2017年度中にソリューションとして提供を開始する予定だ。
NEC データサイエンス研究所 所長の山田昭雄氏は、NECでは「人間によるさまざまなシステムオペレーションを人工知能技術で支える」という全体コンセプトで研究開発に取り組んでおり、すでに公共安全/インフラ/マーケティング/オペレーション変革の各分野で社会ソリューション事業を展開していることを紹介した。
特に“現実社会”を対象とする社会ソリューション事業においては、ターゲットとなるシステム/データは非常に複雑に入り組んだものが多い。その一方で、人間のオペレーションをサポートするためには、短時間(あるいはリアルタイム)で分析結果を出す能力も求められる。NECではそうした目標で技術研究を進めているという。
さらに、社会ソリューション事業に適用するからこそ、分析結果の論拠を「説明する力」も重要な要素になると山田氏は説明した。
「結論がいくつも考えられる問題においては、機械がいくら『この結果が正しい』と言っても、その論拠が何なのかが理解できなければ人間は判断を下せない。社会システムのオペレーションは、特にその傾向が強い。『この分析結果はこう説明できるから、こういうアクションを取るべきだ』と説明できる人工知能テクノロジーがNECの強みであり、われわれがこれからやっていく中心分野だと考えている」(山田氏)