事業シナジーより、キャピタルゲイン 社内VCに重要な方針とは
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なぜ、事業シナジーではなくキャピタルゲイン追求にこだわるのか
こうして2014年11月、平岡氏のスターティアへの入社と同時に、たったひとりのコーポレートベンチャーキャピタル事業推進室が設置された。経営陣と相談しながらCVCとしての方針を定めていくなかで、事業シナジーの追求を第一義としないこととした。
その理由は、平岡氏のこれまでの経験に基づくものだ。
「私のオリックスVC時代には、スタートアップ企業がオリックスグループに期待するものとして、資金だけでなく営業力もというケースが多々ありました。要は、スタートアップの製品をオリックスの営業部署に取り扱ってほしい、と。ならばと、当時の私は自社の営業部隊を投資先支援に巻き込もうとなるわけですが、これが往々にしてうまくいかなかったんです。現場の営業担当者というのは日々、自社の顧客のために動いているのであってスタートアップのために動いているわけではありませんから。そのため、たとえば『実績のない製品を我々の大事なお客様に売って、何かあったら誰がどう責任をとるのか』というように、どうしても慎重になってしまいがちなんです。もちろん、もっともな理由ですが……」
そこで、当時の経験からスターティアのCVCでは、完全にスタートアップ企業側の視点に立ちながら、スターティアの既存事業に直接関連する領域に限らず、ITによって社会的にイノベーションを起こすと期待できるベンチャー企業へ積極的に投資していくこととした。
「あくまで投資先の利益を上げてキャピタルゲインを得ることを目的とし、そのために活用できるのであれば、当社の経営資源を惜しみなく提供していくというスタンスです。つまり、表現が難しいのですが、CVC室としては身内のスターティア側の都合でなく、スタートアップ側の視点で考えて、動く。その結果、投資事業として結果を出してスターティアに貢献する、ということです」(平岡氏)
次回は、豊富な経験と実績を有する平岡氏のスタートアップ支援に関する持論に迫りたい。
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スターティア コーポレートベンチャーキャピタル
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