2014年7月23日〜25日(米国時間)、マイクロソフトは、米アトランタにおいて全世界の社員を対象にした社員総会「MGX」(Microsoft Global Exchange)を開催した。
2014年2月にCEOに就任したサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏の体制となって初めてのMGX。ナデラCEOが登壇すると、全世界から参加した1万6000人の社員が盛大な拍手で迎えたという。
「トランスフォーメーション」
今年のMGXは、「トランスフォーメーション」がキーワードだった。
ナデラCEOは、就任以降、「$0 Windows」による9型以下のデバイスに対するWindowsの無償提供、iPadへのOffice 365提供など、これまでのマイクロソフトにはない異例ともいえる施策を展開。さらに開催直前には、同社としては過去最大規模となる1万8000人の人員削減、次期WindowsにおけるOSの一本化といった動きを明らかにした点でも社員の関心が高かったイベントだったといえよう。
そして今回のMGXは、4月に買収を完了したばかりのノキアの社員が、マイクロソフトの一員として正式に参加した場でもあった。
様々な意味で、トランスフォーメーションの真っただ中にあるマイクロソフトが、社員の意識のベクトルを改めて「トランスフォーメーション」に合わせるための3日間だったといっていいだろう。
日本マイクロソフトの社長室長である牧野益巳執行役は、「シニアリーダーシップチーム(SLT)のすべてのリーダーの講演では、必ずトランスフォーメーションという言葉が使われていたのが印象的だった」と、その様子を表現する。
そして、ナデラCEOからは、マイクロソフトは「チャレンジャー」であるということ、顧客を第一にし、常に顧客のことで頭がいっぱいであることが強調されたという。
スティーブ・バルマー氏がサプライズゲスト
MGXで大きな盛り上がりをみせたシーンが2つあった。
ひとつは、前CEOのスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏がサプライズゲストとして登壇したことだ。
2月4日にサティア・ナデラ氏のCEO就任と、自身のCEO退任が発表された当日、バルマー氏は社員を前にスピーチ。部屋の片づけをしてマイクロソフトを去った後は、一度も社員の前に姿を現していなかった。
そのバルマー氏の登場に会場の社員はスタンディングオベーションで迎え入れ、それに応えるかのように、バルマー氏はマイクロソフトに対する「愛」を述べた。この日のバルマー氏の参加は、マイクロソフトに勤務した35年間に渡る功績を称える意味があったという。

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