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スマホで始める「音楽アプリ部」 第3回

PCソフト顔負けの完成度

iPadにAmpliTubeがあればギターエフェクトソフトはいらない

2013年06月14日 16時00分更新

文● 藤村亮

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アドオンに頼りたい面は多いが、全体的な完成度は高い

アンプアプリがステージの定番となる時代も近い?

 今回はインターフェースにiRig HDを使用しましたが、iRig HD購入者のみの限定特典として、アンプヘッドモデルが2つ、スピーカーキャビネットモデルが1つ、エフェクターが2つ付いています。iRig HDを使えば、より優れた音質のインターフェースと更なるアンプモデルを手にできるはず。別売りのiRig MIDIと外部MIDIコントローラーで、FX1から4に差し込んだエフェクトのリアルタイムコントロールも可能です。

 気になったのは、アンプで空間系エフェクト(主にDelayやChorus、Flanger、Phazerなど)を使用した際に濁りが生じてしまうこと。ギターからの信号の流れがFX1~4→AMPで固定されるからです。空間系エフェクトだけでもアンプヘッドの後、キャビネットの前に差し込めれば解決できる問題ですが、AmpliTubeではそういったエフェクトの配置は不可能。PC版でもペダルエフェクトをアンプの後に配置できず、ちょっとした物足りなさを感じていました。

 実際のアンプとエフェクターの接続方法としてはよくあるセッティングなので、修正してほしいところです。またさまざまなことができるアプリではあるのですが、基本パックでは一部しか使用できない機能が多いです。ですから、8trackレコーダーやドラムループなど全ての機能を利用するにはコストがかかります。

 とはいえ、アンプシミュレーター/エフェクトアプリとして、またAmpliTubeの名を冠するにふさわしいさすがの完成度。基本的なノイズが少なく、ある程度音を歪ませたセッティングでもノイズゲートをかけずに済む場合が多い。エフェクトの枠を常にひとつ消費されずに済み、ギター側のボリュームコントロールやピッキングのニュアンスなどへの追従性もより良く感じられます。ステージ上の照明、電源など、ノイズの影響が大きい環境で初めて、ノイズゲートを保険程度にかけておく、くらいの感覚でも問題ないでしょう。

 一見してのアンプモデル数は多くありませんが、各コンポーネントの組み合わせで幅広い音作りが可能です。私は実機でもゲインの高いアンプヘッドとスピーカーが2発入ったキャビネットの組み合わせを選ぶことが多いですが、アマチュア向けの練習スタジオなどではベストな機材が揃わないこともあります。

 そういった場において、スタジオの定番であるRolandのJC-120にこのAmpliTubeを挿すだけである程度「いつもの音」に近いサウンドを出せる手軽さは心強いです。

  クオリティーの高いアンプモデルを生かしきるノウハウや、自分なりのアイディアを持っている中級者以上の方にぜひ使ってみてほしいですね。初心者の方には少し敷居が高いかもしれませんが、ギターの音作りにはさまざまな要素が絡んでいることを学ぶ教材として使う、という手もあります。PC版でAmpliTubeを使用しているなら、スタジオセッションやライブの緊急対応用にiPadやiPhoneに入れておくというのもおススメです。



藤村 亮(ふじむら りょう)

photo by Shin Kobayashi

 1981年埼玉県生まれの音楽家。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年にベルギーのインディーズレーベルと契約を交わし"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国で行われるJ-Musicイベントなどにゲスト参加。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度に渡るライブツアーを行なう。2013年4月、ロックバンド"流天"を結成。ヴォーカルとギター、作詞作曲を担当。愛用のIbanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックジプシー。

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