変態をあきらめるくらいなら、コラボをやらないほうがいい
―― あなた以外にもYouTubeには韓国のうまいプレイヤーが多いですよね。
H.J.Freaks 韓国で有名な人でですね、ギターでカノンを演奏する人。Funtwo※という方の動画も人気がありました。私はこの人よりも後輩という感じなんですけどね。
※ Funtwo : イム・ジョンヒョン(Jeong-Hyun Lim)。1984年生まれの若いギタリスト。やはりYouTubeで知られるようになった台湾のギタリスト、JerryCがアレンジしたパッヘルベルのカノン「カノンロック」をカバーし、韓国の動画サイトにアップロード。それがYouTubeに転載され一躍有名に
―― そういう若い先輩に影響を受けましたか?
H.J.Freaks ネットの力はこの動画からですよね。こんなにYouTubeが盛り上がっているのはびっくりしました。Funtwoという人は、この動画で有名になって、いろんな所でライブをやったりYouTubeのイベントでジョー・サトリアーニさんと共演したことがある。
―― まだ子供なのにフィンガーピッキングのものすごくうまいギタリストもいますよね。
H.J.Freaks そうそう、私もその少年の動画※を観て本当にびっくりしました。彼はいま韓国からの投稿者で一番有名な人ですね。オノ・ヨーコさんからも褒められた。この人とおさむらいさん※とコラボしてもらいたいくらい。
※ 少年の動画 : チョン・スンハ(Sungha Jung)のこと。1996年生まれの天才ギター少年。YouTubeでの総再生数は3億に迫る。彼の演奏する「All You Need Is Love」を見たオノ・ヨーコは「素晴らしい演奏にジョンも喜んでいることでしょう」とメッセージを送ったらしい
※ おさむらいさん : "椎名林檎「丸の内サディスティック」をアコギでロックしてみた"で有名なニコニコ動画のギタリスト
―― チョン・スンハはH.J.Freaksと共演したりしないんですか?
H.J.Freaks こんな変態の私とコラボ? オノ・ヨーコさんから褒められた人が、この変態とやるわけがないでしょ! (チョン・スンハにとって)一生の恥になります。
―― そんなこと言いつつ、変態はやめないわけですよね。
H.J.Freaks 変態をあきらめるくらいなら、コラボをやらないほうがいいです。
―― さすがです。でもなぜそこまで?
H.J.Freaks 生まれてから変態なんです。幼稚園の頃から女性パンツのほうが好きだったんです。見ることではなくて、自分が着ることが。ああ、これで私はもうお嫁にいけない!
―― そもそもお嫁にはいけませんけどねー。男だし。
H.J.Freaks 結婚はもう諦めちゃいました。一生独身で行きたいと思います!
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

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