タッチパネルでの操作が当たり前になったスマートフォンだが、文字入力についてはそのプログラムや画面の大きさによって、そのスピードややりやすさが大きく違うようだ。さらにケータイ風のハード型テンキーを備えた機種も登場し、タッチ入力よりも優れているのか、気になる人も多いだろう。文字入力の速度や、誤入力の頻度、押しやすさなどを、同じ文章を入力してチェックしてみた。
フリック入力が速いが
機種による差も結構ある
今回用意したのは以下の4機種。
●NTTドコモ「GALAXY S II SC-02C」
●NTTドコモ「P-07C」
●au「iida INFOBAR A01」
●ソフトバンク「AQUOS PHONE 007SH」
さらに比較用として、iPhone 4を用意した。ちなみに筆者は現在メインで使っているのがiPhone 4であり、iPhone 4と操作性が近い端末が有利になりやすいというのが、前提であることをご承知いただきたい。
今回のテストでは、最初に初期設定時のまま使い、文字入力を行なった。3回以上の入力による最速のデータを掲載している。文章は以下のとおり。
「お世話になっております。アスキー・メディアワークスの佐藤です。鈴木さんからTELありました。ご対応よろしくお願いいたします。」
「アスキー~」「鈴木さん~」「ご対応~」でそれぞれ改行する。ただし予測変換は使わず、すべてのかなを実際に入力している。また初期設定のままでは入力しづらい英語や中点は、そのときだけ別のキーボード(テンキー→QWERTYキー)に移行している場合もある。
その次に“ひと工夫”したテストとして、初期状態と異なる入力方法を各機種1つ試してみた。またタッチパネルの入力方法も含めて、ボタンサイズを定規で計測した。完全に正確とはいえないが、ボタンサイズの目安になるだろう。
普段から慣れたiPhone 4がやはりトップ
その次が意外にも画面の小さな「007SH」
さて、その結果が以下の表だ。
GALAXY S II | P-07C | INFOBAR A01 | AQUOS PHONE 007SH | iPhone 4 | |
---|---|---|---|---|---|
画面サイズ | 4.3型 | 4.3型 | 3.7型 | 3.4型 | 3.5型 |
入力スタイル | フルタッチ | フルタッチ | フルタッチ | ハードテンキー+タッチ | フルタッチ |
初期状態での日本語入力プログラム | Samsung日本語キーボード | フィットキー | iWnn IME-SH edition | iWnn IME-SH edition | 日本語テンキー |
初期状態での入力方式 | QWERTY | テンキー(フリック) | テンキー(フリック) | ハード型テンキー | テンキー(フリック) |
初期状態での入力時間 | 1分44秒53 | 1分50秒1 | 1分22秒96 | 2分11秒97 | 1分0秒48 |
キーサイズ(横×縦) | 5×8mm | 11×10mm | 9×8mm | 11×6mm | 10×9mm |
もう1種類テストした入力方式 |
テンキー (フリック) |
初期状態から若干のカスタマイズ | 手書き入力 |
テンキー (フリック) |
ATOK Pad (フリック) |
初期状態での入力時間 | 1分23秒67 | 1分31秒18 | 2分16秒22 | 1分14秒65 | 1分12秒25 |
キーサイズ(横×縦) | 10×8mm | 10×6mm |
41×22mm (入力範囲) |
9×7mm | 10×9mm |
まず1番速かった機種は、iPhone 4のテンキー(フリック)入力。普段使っている端末だけにある意味当たり前の結果とも言えそうだ。あと少しで1分を切りそうだ。“ひと工夫”としてATOK Pad上で入力した場合も速い。
2番目に速かったのは、007SHでのタッチ操作によるもの。007SHは従来型ケータイ的なテンキー入力と、画面を反転させて、フルタッチ型端末としての使い方の2パターンが可能だが、より高速だったのは後者の方。ハードキーよりもおよそ1分も速い。その理由はあとで紹介するが、ハードキーはキーの押す回数が多い分、フリック入力に慣れていれば、時間そのものは長くなる。ただし実際の場面では予測変換が使えるので、そのぶん時間を短縮できる可能性が高い。
また注目したいのがQWERTY入力とフリック入力の比較となったGALAXY S II。今回は片手で入力しているので、QWERTYが本領発揮とはいかなかったのか、およそ20秒の差。ここまで差が開くと、普段PCでQWERTYに慣れている、という人もフリック入力をマスターしたほうが、入力速度は上がりそうだ。
それではさらに押しやすさや誤入力などの印象を、各機種別に述べていこう。
この連載の記事
-
第49回
スマホ
スマホとケータイ、どっちを選ぶ? あらためて比較した -
第48回
スマホ
絶対使うスマホのロック画面を、操作性や機能で徹底比較 -
第47回
スマホ
スマホでも通話は重要! 音声が聞こえやすい端末はどれ? -
第46回
スマホ
スマホでは影が薄いキャリア公式サービス 実際は使える? -
第45回
スマホ
Google DriveをAndroidでどこまで便利に使えるかテストした -
第44回
スマホ
スマホをより活用できるウェブアプリをまとめて紹介! -
第43回
スマホ
Androidスマホでダイエットは可能? 13本のアプリをテスト -
第42回
スマホ
スマホと何かの理想の2台持ちを考えてみた -
第41回
スマホ
Siriを始め、スマホで使える9種類の音声入力を徹底比較! -
第40回
スマホ
スマホ用タッチペンはどれくらい使える? 6製品を集めた -
第39回
スマホ
公衆無線LANは本当に速い? ケータイ3社のサービスを試した - この連載の一覧へ