
夏モデルではドコモからiモードケータイの新製品が1機種も発表されないなど、各社ともスマートフォンシフトが一気に進んでいる。新機能や新サービスにしてもスマートフォン用ばかりが目立つ。
とはいえ、「ケータイで十分」「ケータイの方がスマホより機能が多い」「ケータイの方が電話がしやすいから2台持ち」といった意見も根強い。実稼働台数でいえばケータイのほうがまだ多数派。ケータイ派の人が機種変更するなら、最新のケータイがいいのか、それともやっぱりスマホなのか、いろいろな観点から比較して検討した。
ケータイの最新機種は昨年モデル
今回用意したのは主要3キャリアそれぞれケータイとスマホを1機種ずつ。具体的には以下のとおりだ。
●NTTドコモ
ケータイ:F-02D(2011年11月発売)
スマートフォン:Xperia acro HD SO-03D(2012年3月発売)
●au
ケータイ:F001(2011年11月発売)
スマートフォン:URBANO PROGRESSO(2012年5月30日発売)
●ソフトバンク
ケータイ:PANTONE 4 105SH(2012年3月発売)
スマートフォン:AQUOS PHONE 104SH(2012年2月発売)
なお、ドコモとauのケータイは昨年発売のモデルである。まずは主要スペック・機能の対応状況を見てみよう。
ケータイ | |||
---|---|---|---|
ドコモ「F-02D」 | au「F001」 | ソフトバンク「PANTONE 4」 | |
本体サイズ | 50×111×13.9mm | 50×111×14.2mm | 50×104×17.4mm |
重量 | 130g | 111g | 98g |
ディスプレー | 3.4型(480×854ドット) | 3.3型(480×854ドット) | 2.9型(240×400ドット) |
防水 | ○ | ○ | × |
ワンセグ視聴時間 | 300分 | 240分 | 360分 |
おサイフケータイ | ○ | ○ | × |
赤外線通信 | ○ | ○ | ○ |
カメラ | 1630万画素 | 1310万画素 | 320万画素 |
高速通信(Xiなど) | × | × | × |
無線LAN | ○ | × | × |
テザリング | ○ | × | × |
スマートフォン | |||
---|---|---|---|
ドコモ「Xperia acro HD」 | au「URBANO PROGRESSO」 | ソフトバンク「104SH」 | |
本体サイズ | 66×126×11.9mm | 64×125×10.8mm | 65×129×9mm |
重量 | 149g | 139g | 126g |
ディスプレー | 4.3型(720×1280ドット) | 4型(480×800ドット) | 4.5型(720×1280ドット) |
防水 | ○ | ○ | ○ |
ワンセグ視聴時間 | 290分 | 350分 | × |
おサイフケータイ | ○ | ○ | × |
赤外線通信 | ○ | ○ | × |
カメラ | 1210万画素 | 808万画素 | 1210万画素 |
高速通信(Xiなど) | × | ○ | ○ |
無線LAN | ○ | ○ | ○ |
テザリング | ○ | ○ | × |
一目でわかるのがケータイのコンパクトさ。幅は3機種とも50mmだ。しかも軽量で画面サイズは3型前後。スマートフォンは幅が60mmを超えているので、ケータイとは幅で1cm以上の差がある。しかも画面が4型以上だ。画面解像度を見てもスマートフォンが基本的により高解像度である。ただしURBANO PROGRESSOは480×800ドットとやや低めである。
ワンセグは、グローバル端末に近いソフトバンクの104SH以外は対応。連続視聴時間を比較すると105SHとURBANO PROGRESSOがいい勝負だ。スマートフォンのバッテリーは消耗が早いと言われるが、ワンセグの視聴時間だけなら案外変わらない。
最近の国内メーカー製スマホは防水やおサイフケータイにも対応しているので、どちらも互角の印象だ。カメラは画素数だけを見るとハイエンドiモード端末のF-02Dが1630万画素。ただし使い勝手は別問題なので後ほどチェックしてみよう。
機能差があるのは無線LAN。ケータイでも一時期無線LAN搭載の動きがあったが、今回紹介する中ではF-02Dのみ。スマートフォンでは標準機能なので、3機種とも対応している。テザリングもケータイではF-02Dだけが利用できる。ただし、ソフトバンクは非対応だ。
そして高速通信への対応もスマホが有利。今回取り上げたXperia acro HDは非対応なものの、夏モデルのXperiaシリーズではXiに対応している。
ハードウェアの機能だけを見るならスマホが有利。ただし携帯性を考えるならケータイ、という結果と言えるだろう。それでは実際に使ってみるとどんな差が出てくるだろうか。

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