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週刊 PC&周辺機器レビュー 第110回

VAIO Zの弟分? 速くて高解像度なモバイル VAIO S

2011年07月22日 12時08分更新

文● 池田圭一

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VAIO Zの高性能をここに
クアッドSSDも選択可能

 VAIO SAはとにかく処理能力が高い。スリムな筐体によくぞ詰め込んだというほど高スペックである(その分、放熱も高いわけだが)。今回の試用機は、VOMモデルの「VPCSA2AJ」をベースにカスタマイズしたもので、主なコンポーネントの選択肢は次のようになっている(太字は試用機の搭載コンポーネント、評価機はラインナップにないCore i5-2540Mを搭載)。

お詫びと訂正:掲載当初、CPUをCore i5-2410Mと記載していましたが、正しくはCore i5-2540Mでした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2011年7月24日)

CPU Core i7-i7-2620M(2.70GHz)、Core i5-2520M(2.50GHz)、
Core i5-2410M(2.30GHz)
メモリー 4、6、8GB
ストレージ クアッドSSD 1TB(256GB×4)、512GB(128GB×4)、256GB(64GB×4)、
SSD 128GB、HDD 750GB、640GB、500GB
光学ドライブ 記録型BDドライブ、DVDスーパーマルチドライブ

 グラフィックス機能(GPU)にはRadeon HD 6630M(ビデオメモリー 1GB)を標準搭載。CPU内蔵のIntel HD Graphics 3000と、スイッチひとつで切り替えられるようになっている。GPUの切り替えはWindowsエクスペリエンスインデックスにも反映される。ちなみにDirectXを描画に使うアプリケーション動作中には行なえない。

キーボード左上に動作モードの切り替えスイッチがある。切り替えスイッチの左にはトレイ開閉ボタンがある

モード切り替えスイッチを操作すると、1~2秒でGPUが切り替わる。このときDirectXを描画に使うアプリケーションが動作していると切り替えられない

 Windowsエクスペリエンスインデックスと、定番の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」で性能を計測すると、抜きん出ているのがHDDスコアだ。チップセットのSATAポート4つにそれぞれに同容量のSSDを接続して、RAID 0構成で動作させるクアッドSSDを搭載するからだ。試用機では64GB×4構成の256GBクアッドSSDが載っており、とにかく速い。

Windowsエクスペリエンスインデックス。CPU内蔵GPUを使うSTAMINAモード(左)をSPEEDモード(右)に切り替えると、グラフィックス値(と総合値)が大きく変わる

 クアッドSSDのおかげでアプリケーションの起動が早く、Windowsの起動・終了もちょっと目を離しているうちに完了する。容量の点では心もとないが、USB 3.0接続の外付けHDDで補える。PCMarkのスコアを見ても、5400rpm HDDではHDDスコアが「5000~6000」ということを考えると、クアッドSSDのHDDスコアの高さは驚異的だ。しかし、Gamingを除いてSPEED/STAMINAモードの差異は大きくない。

底面カバーを開けるとクアッドSSDが見える。金属フレームの上下に、サムスン製の128GBデュアルSSDモジュールが2枚、互い違いの向きに載っている

PCMark Vantage 32bitのスコア

モバイルノートでは脅威のグラフィック性能

 特に記しておきたいのは、Radeon HD 6630Mの描画性能の高さである。「MMD」(MikuMikuDance)で複数キャラクターを動かした場合(物理演算を有効)、SPEEDモードでのフレームレートは106fpsであった。同条件のSTAMINAモードでは69fpsだったので単純に考えると約1.5倍である。

 また、CPU内蔵のIntel HD Graphics 3000が特に苦手とするOpenGLの性能比でも、Radeon HD 6630Mのほうが約9.4倍も速かった(CrystalMark 2004Rで測定)。ビジネス用途だけを考えると、これだけの描画性能が必要かとも思えるが、表示性能によってWindowsの使用感も左右される今となっては、速いほうが何をするにも快適だ。

SPEEDモードでMMDを動かす(左)。3Dグラフィックス系ソフトではRadeon HD 6630Mの性能が生きて106fps。STAMINAモード(右)では69fpsに留まった。CPUへの負荷もSTAMINAモードの方が多い



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