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COMPUTEX TAIPEI 2010レポート第3回

インテル、タブレット向けの新Atom「Oak Trail」発表

2010年06月01日 23時59分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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インテルのキーワードは「選択」
閉じたプラットフォームのアップルに対抗

Atomを採用するタブレット端末 Atomを採用するタブレット端末
Atomを採用するタブレット端末が多数出展されていた。デザインだけでなく、OSはWindows 7あり、MeeGoありと多彩。アップルにはない「選択の自由」で対抗する

 基調講演とPCクライアント説明会を通じて感じられたのは、アップルのiPad/iPhoneに対するインテルの強い危機感と対抗意識だ。それを端的に表わすのが、登壇したインテル幹部の口から何度も聞かれた「Choice」(選択)の言葉だ。

 iPad/iPhoneはご承知のとおり、OSからハードウェア設計、さらにその上のアプリケーションの開発と流通システムまで、すべてをアップル1社がコントロールしている。この徹底したコントロールにより、アップルの製品は優れたユーザー体験を実現してみせている。しかし、このエコシステムの中には、インテルはもとより、COMPUTEXに出展している多くのパソコンメーカーや周辺機器、パーツ類のメーカーが入る余地はない。アップル(とわずかな製造、部品供給パートナー)以外は繁栄しないエコシステムとも言える。

 それに対抗するキーワードが選択である。例えばOak Trailを採用するタブレットやネットブック、あるいは組み込み向けAtomプロセッサーを採用するシステムでは、OSをひとつに限定していない。パソコンのアプリケーションやハードウェア資産の継承を重視するならWindows 7を搭載すればいいし、より軽快なユーザー体験を実現したいなら、インテルが主導するLinuxベースのオープンソースOS「MeeGo」も使用できる。特に言及はされなかったが、GoogleのAndroidも当然視野に入るだろう。OSは機器ベンダーが自由に選択すればよいものというわけだ。

インテルベースのタブレットは「Choice」がキーワード インテルベースのタブレットは「Choice」がキーワード。OSもソフトウェア市場も選択の自由があるとしている

 OSのうえにかぶせるユーザーインターフェースについても、MeeGoの標準インターフェースを採用するもの、Windows 7そのままのもの、Windows 7上に独自のタブレット向けインターフェースを搭載するものなど、製品に応じて自在に選択できる。

 その一方で、タッチベースのユーザーインターフェースやアプリケーション配信サービスは、インテルベースのタブレットでも提供される。例えばMeeGo用には「AppUp Center」と称する配信サービスが用意される。Androidならば「Androidマーケット」がすでに存在する。iPad/iPhoneの利点には追従しつつ、彼らにない選択の自由を与えるのが、Oak Trailを軸にしたタブレット端末という筋書きである。

自由に選べるのがインテルベースの利点 ハードウェア技術からOS、ソフトウェア、さらにリッチメディアの種類まで、自由に選べるのがインテルベースの利点

 インテルとパートナー企業の思惑どおりにことが進むかどうかはわからないが、閉じたエコシステムの中にいる者以外は繁栄しないアップルの隆盛に危機感を感じているパソコンベンダーが多いCOMPUTEXの場で、インテルが示したメッセージは多くの共感を生むだろう。どちらが勝つかはこれからの見物である。

デモで披露されたExoPC社のタブレット端末 デモで披露されたExoPC社のタブレット端末。OSはWindows 7だが、独自のUIやタッチアプリケーションを備える。丸い円はそれぞれアプリケーションやサービスへのショートカットになっている

パソコンは事実上脇役? 新しい話題は
アンロック版Core i7とSandy Bridgeのデモ程度

 ネットブックとタブレットで盛り上がったAtom関係に比べて、今年のインテル基調講演でのパソコン関係の扱いは、新鮮さに欠ける話題ばかりと言っていい。主役は完全にAtomだった。

 CPUの新しい製品は、コア倍率のロックを解除した「Core i7-875K」「Core i5-655K」程度。どちらもオーバークロックを楽しむ自作PCファンには人気を呼びそうだが、限られたユーザー層を対象にした製品であることは疑問の余地がない。

倍率フリーのCore i7とCore i5が発表 Core i7-875Kのデモ
倍率フリーのCore i7とCore i5が発表。自作市場では人気を呼ぶだろうCore i7-875Kのデモでは、CINEBENCH動作時に最高4.02GHzを叩き出した

 2010年末に登場する次世代アーキテクチャーCPU「Sandy Bridge」に関する話題では、Sandy Bridgeの内蔵GPUによる3Dゲームの動作デモが披露された。Sandy BridgeではCPUと同じダイ上にGPUも実装されるが、インテルの披露したデモによれば、ミドルクラスのディスクリート(独立)GPUと遜色ないパフォーマンスを実際のゲームでも発揮できるとしている。

 デモでは、半年ほど前に発売されたRPG「Mass Effect 2」の1シーンや、MMORPG「World of Warcraft」のプレイを、Sandy BridgeとディスクリートGPUで表示して、遜色ない画面表示やパフォーマンスを実現している様子を見せた。とはいえ、PCゲーマーなら周知のように、インテルのチップセット/CPU内蔵GPUの性能が、ゲーミング用途で期待を上回ったためしはない。Sandy Bridgeの内蔵GPUも、アーキテクチャー的には既存のCore i5/3のそれと大きな変更はないとされているので、このデモも割り引いて見た方が妥当だろう。

Sandy Bridge内蔵GPUとディスクリートGPUでの表示品質比較 Sandy Bridge内蔵GPU(右)とディスクリートGPUでの表示品質比較。「遜色ない」と言われても、実際にプレイしている画面ではないので、品質を比較しろという方が無茶というもの
デモ会場にさりげなく置かれていた、東芝の未発表ノート デモ会場にさりげなく置かれていた、東芝の未発表ノート。CULVノートのエリアにあったので、dynabook MXの系列だろうか? 日本での発表が期待される

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