アジア最大のコンピュータ機器見本市「COMPUTEX TAIPEI 2009」初日の2日には、米インテル社が基調講演とモバイル製品に関する説明会を開催し、次世代Atomとネットブック向け新プラットフォーム、デスクトップやノート向け新チップセットなどを発表した。これら講演から注目のトピックを抜粋してお届けしよう。
次世代Atom「Pineview」と
新ネットブックプラットフォーム「Pine Trail」
モバイル製品説明会で、米インテル モバイル・プラットフォーム事業本部長のムーリー・エデン(Mooly Eden)氏は、次世代ネットブック向けプラットフォーム「Pine Trail」と、次世代Atom「Pineview」についての情報を公開した。
Pine TrailはCPUのPineviewと、チップセット(I/Oコントローラー)の「TigerPoint」で構成される、ネットブック向けの新プラットフォームである。次世代Atomとして知られていたCPU「Lincroft」や、新プラットフォーム「Moorestown」が、次世代の携帯インターネット機器(MID)向けに位置づけられるのに対して、PineviewとPine Trailプラットフォームはコスト重視のネットブック向けとなる。
Pineviewは、おそらく市場に投入されるインテルCPUでは初となる、GPU機能内蔵型のCPUである。AtomベースのCPUに、DDR2対応のメモリーコントローラーとGPU機能(グラフィックスエンジンとデジタルディスプレー出力)を内蔵している。一般的なネットブックで使われるIntel 945GSE Expressチップセット(GMCH)の機能が、まるまるAtom内に入ったと考えれば分かりやすい。
Pineviewと組み合わせるTigerPointチップセットは、現在のICHに当たる機能を提供する。現在のネットブックは、CPU+2つのチップセットの3チップで構成される。これに対してPine Trailは、CPUとGMCHがひとつになることで、2つのチップでネットブックの中枢部分を構成可能になる。ネットブックのさらなるコストダウンが可能になるほか、CPUとGMCHの一体化によるパフォーマンスの向上も期待できる。
Pine TrailやPineviewの詳細仕様については公開されなかったが、講演で披露された(台湾MSI社や台湾ASUSTeK社による)デモ機で確認してみたところ、CPUは1.66GHz動作で2つのコア(物理コアか論理コアかは不明)を備えていた。また、GPU部分は「Intel PineView Mobile Express Chipset Family」という名称のドライバーで動作していた。一方、TigerPointに当たるICH部分は、Intel 945GSEと同じく「82801G」(ICH7)として認識されていた。TigerPointの実体は、CPUとのインターフェース部分をPineview用に改良したICH7、なのかもしれない。
Pine Trailを採用したネットブック製品は、2009年末には登場するとのこと。年末の新ネットブックに今から期待したい。

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