「COMPUTEX TAIPEI 2010」初日となる1日には、米インテル主席副社長による基調講演と、PCクライアントに関する説明会が行なわれた。両者とも話題の中心になったのはAtom系CPUで、iPadにより盛り上がりを見せているタブレット型端末にフォーカスした新プラットフォームが発表されるなど、興味深い発表が相次いだ。
ネットブックを高速化する新デュアルコアAtom
まずネットブック分野での話題としては、新しい「Dual Core Intel Atom Processor for Netbooks」(コード名Pine Trail)の発表が挙げられる。既存のネットブック向けAtom(Atom N450など)が、物理コアはひとつであるのに対して、新しいデュアルコアAtomは2つの物理コアを内蔵する。従来どおりハイパースレッディングテクノロジーにも対応しているため、OSから見える論理CPUは4個となる。
デスクトップ型向けには、以前よりデュアルコアのAtom D510が提供されていたので、Pine Trailもこのアーキテクチャーをベースに、ネットブック向けの最適化を施したものと推測される。
なお、基調講演のスライド中には、「Atom N550」という名称を記したものがあったが、講演後に発表された同社のプレスリリース中では、正式名称は記されていない。また、台湾ASUSTeK Computerのブースには、Atom N550を搭載するネットブック「EeePC 1015PN」が出展されていた。
なお、コード名の「Pine Trail」は、以前は「ネットブック向けプラットフォーム」のコード名として使われていたもの(関連記事)。同じコード名を使用している理由は不明だが、2009年までのPine Trailとは別ものであることに注意したい。
搭載製品の登場時期については、「次の四半期」とだけ示されている。おそらく夏の間には、各社から新製品が発表されるのではなかろうか。Core 2 Duo搭載のCULVノートの低価格化が進み、Atom搭載ネットブックの競争力が低下しつつある状況では、同等の価格帯を維持しながらパフォーマンスを向上できるPine Trailの登場は、ネットブック市場をまた活性化させる起爆剤となるかもしれない。
タブレット用Atomプラットフォーム「Oak Trail」
iPadが好調なセールスを見せてパーソナルコンピューターの新しい潮流を示しつつあるなか、それに対抗するインテルの武器は、ここでもAtomだ。基調講演で発表されたAtomベースの新プラットフォーム「Oak Trail」は、タブレットや薄型ネットブック向けのプラットフォームとされている。
Oak TrailはGPU機能を内蔵した超低消費電力Atomと、HDMI出力機能やSATAインターフェースを内蔵した超低消費電力チップセットで構成される。CPU等の詳細は不明だが、Atom Zシリーズの後継でGPU内蔵型の「Lincroft」をベースにしたものと思われる。1080pのHD映像デコードを可能にし、長時間のバッテリー駆動時間を実現できるという。
Oak Trail採用タブレットの具体的な製品名等は明かされなかったが、説明会では多数のタブレット端末が披露された。中には、2枚のディスプレーを開いたノートのようにつないだMSI製の端末のような、独自性を発揮したものも見受けられた。
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