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COMPUTEX TAIPEI 2010レポート 第3回

インテル、タブレット向けの新Atom「Oak Trail」発表

2010年06月01日 23時59分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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 「COMPUTEX TAIPEI 2010」初日となる1日には、米インテル主席副社長による基調講演と、PCクライアントに関する説明会が行なわれた。両者とも話題の中心になったのはAtom系CPUで、iPadにより盛り上がりを見せているタブレット型端末にフォーカスした新プラットフォームが発表されるなど、興味深い発表が相次いだ。


ネットブックを高速化する新デュアルコアAtom

 まずネットブック分野での話題としては、新しい「Dual Core Intel Atom Processor for Netbooks」(コード名Pine Trail)の発表が挙げられる。既存のネットブック向けAtom(Atom N450など)が、物理コアはひとつであるのに対して、新しいデュアルコアAtomは2つの物理コアを内蔵する。従来どおりハイパースレッディングテクノロジーにも対応しているため、OSから見える論理CPUは4個となる。

Pine Trailと搭載するネットブックの主な特徴

Pine Trailと搭載するネットブックの主な特徴

 デスクトップ型向けには、以前よりデュアルコアのAtom D510が提供されていたので、Pine Trailもこのアーキテクチャーをベースに、ネットブック向けの最適化を施したものと推測される。

Pine Trailと既存のシングルコアAtomとの性能比較

基調講演で披露されたPine Trail(右)と既存のシングルコアAtomとの性能比較デモ。ブラウザー上で動くFlashゲームが、右のPine Trail搭載機では軽快に動作していた

 なお、基調講演のスライド中には、「Atom N550」という名称を記したものがあったが、講演後に発表された同社のプレスリリース中では、正式名称は記されていない。また、台湾ASUSTeK Computerのブースには、Atom N550を搭載するネットブック「EeePC 1015PN」が出展されていた。

EeePC 1015PN

Pine Trailの製品名と思われる「Atom N550」を搭載可能なASUSTeKのネットブック「EeePC 1015PN」

 なお、コード名の「Pine Trail」は、以前は「ネットブック向けプラットフォーム」のコード名として使われていたもの(関連記事)。同じコード名を使用している理由は不明だが、2009年までのPine Trailとは別ものであることに注意したい。

封筒の中から超薄型のネットブックを2台取り出してみせ……

PCクライアント説明会を担当した、インテル副社長のムーリー・エデン氏による講演では、アップルのかつてのプレゼンテーションをパロディーにして、封筒の中から超薄型のネットブック「Canoe Lake」を2台取り出してみせ、ネットブックの薄型化の可能性を示した

 搭載製品の登場時期については、「次の四半期」とだけ示されている。おそらく夏の間には、各社から新製品が発表されるのではなかろうか。Core 2 Duo搭載のCULVノートの低価格化が進み、Atom搭載ネットブックの競争力が低下しつつある状況では、同等の価格帯を維持しながらパフォーマンスを向上できるPine Trailの登場は、ネットブック市場をまた活性化させる起爆剤となるかもしれない。


タブレット用Atomプラットフォーム「Oak Trail」

 iPadが好調なセールスを見せてパーソナルコンピューターの新しい潮流を示しつつあるなか、それに対抗するインテルの武器は、ここでもAtomだ。基調講演で発表されたAtomベースの新プラットフォーム「Oak Trail」は、タブレットや薄型ネットブック向けのプラットフォームとされている。

Oak Trailの概要

タブレット用のAtomプラットフォームとなる「Oak Trail」の概要

 Oak TrailはGPU機能を内蔵した超低消費電力Atomと、HDMI出力機能やSATAインターフェースを内蔵した超低消費電力チップセットで構成される。CPU等の詳細は不明だが、Atom Zシリーズの後継でGPU内蔵型の「Lincroft」をベースにしたものと思われる。1080pのHD映像デコードを可能にし、長時間のバッテリー駆動時間を実現できるという。

Oak Trailベースのタブレットの特徴

Oak Trailベースのタブレットの特徴

 Oak Trail採用タブレットの具体的な製品名等は明かされなかったが、説明会では多数のタブレット端末が披露された。中には、2枚のディスプレーを開いたノートのようにつないだMSI製の端末のような、独自性を発揮したものも見受けられた。

MSI製のデュアルスクリーンタブレットの試作機

MSI製のデュアルスクリーンタブレットの試作機。電子ブックリーダー的な使用法を重視しているのだろうか。OSにはWindows 7を使っている

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