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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第1回

REGZAと同等の録画機能を古いテレビで実現

torneよりも快適!? 「レグザチューナー」の実力を試す!

2010年04月13日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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25万円のBDレコと同等の画質!?

「DMR-BW970」

「DMR-BW970」

 筆者が所有するパナソニックのBDレコ「DMR-BW970」とも比較してみたのだが、恐るべきことにディテールの情報量ではD-TR1が優った(超解像を効果「3」で使用)。チューナーとレコーダーという違いこそあれ、それではDMR-BW970(とそのオーナーである自分)が悔しいと感じたので、さらに詳細にチェックすると、D-TR1では輝度情報の向上が著しく、DMR-BW970の場合は、もともとディテール再現に優れ、なおかつ色解像度の向上により色のディテール再現を補助している、という違いがあるとわかった。

 そのため、両者のどちらの画質が優れているのかは、好みによっても分かれると思うが、前述の芝目や建物の石壁などの質感がしっかりと再現されるのはD-TR1で、人の肌などの微妙な色の変化、衣服の細かい模様が鮮やかに見えるのはDMR-BW970と感じた。

 それにしても、2万5000円のチューナーで、購入時25万円のBDレコと同等の画質が見られるのはたいしたものだと思う。

 ちなみに、レゾリューションプラスの効果はほとんどない、NHKのBSハイビジョン放送でもドキュメント放送などで画質を確認した。

 結果としてはREGZAの特徴である質感を重視した映像となっていた。コントラスト感を高めてメリハリの効いた映像ではなく、階調感を重視したなめらかな映像という印象だ。

 残念ながらブラウン管テレビを使ってテストすることはできなかったが、この階調感のなめらかな映像はブラウン管テレビでもなかなか見応えのある映像が楽しめるものと思う。

 単体のデジタルチューナーでここまで高画質に映像を再現できた製品を見たのは、実際のところ初めて。torneでさえ、(放送画質に関しては解像感よりも低ノイズを重視しており)情報量ではほんのわずかながら劣っていただけに、D-TR1の実力は恐るべきものがある。


HDMIセレクター機能を熱望したい!

エントリークラスのREGZAと同じシンプルリモコンが付属。録画番組の操作は十字キーを使って行なう

エントリークラスのREGZAと同じ「シンプルリモコン」が付属。録画番組の操作は十字キーを使って行なう

 D-TR1は高画質回路として古い薄型テレビをグレードアップするのに十分有効だと感じた。機能的にも、テレビ録画をはじめとするREGZAと同等の機能にグレードアップするような使い方も十分有効だと思う。実際に使ってみればみるほど、スムーズな操作のレスポンスなどはREGZAそのもの。単体デジタルチューナーは、残念ながら番組表をはじめとするインターフェースに関しては、薄型テレビのそれよりは見劣りする印象があったのだが、本機はさすがテレビメーカー製だけあって、そういった見劣りはまったくない。

 それだけに、ひとつだけ惜しいと感じたのが、HDMI入力を含む外部入力がないこと。この高画質化がDVDソフトなどで楽しめたらならば、デジタルチューナーとしては完璧だったに違いない。

 数年前の薄型テレビとなると、HDMI端子がひとつだけという製品も多かったので、各種ビデオ入力やHDMIセレクター機能を持ち、DVDやVHSといった映像の高精細化もできる映像プロセッサー的な機能を持った高画質デジタルチューナー(しかも録画機能付き!)という製品の需要は決して少なくないと思う。東芝にはぜひともそのあたりも検討して欲しい。


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