ついにNTTドコモからAndroid搭載のスマートフォン「Xperia」が登場した。日本におけるスマートフォンの本格普及が見込まれる今年、ドコモがXperiaをプッシュする勢いにも非常に強いものがある。
Xperiaがキャリアにとって戦略的な商品であることは間違いないが、開発したソニー・エリクソンも熱のこもったプロダクトをアウトプットしている。今回は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズでXperiaの開発を担当した安達氏、西村氏にお話をうかがった。
ソニー・エリクソンのテーマを表現した結果が
Androidの採用や独自のUIにつながった
僕の持論では、日本のケータイはハードウェアの部分で発達してきたガジェットであると考えている。カメラの高画素化、ディスプレイの拡大、高精細化、そして端末のデザインや薄さ、軽さの追求など、見た目と数字に表れるスペックが追求されてきたのが、ケータイであった。
しかしiPhoneの登場で、そのスタンダードが崩れつつある。iPhoneは、初代と3Gでは形状の違いがあるものの、3Gと3GSでは刻印を見なければ見分けが付かず、3GSではカメラのオートフォーカス化、演算チップの高速化などは成されているが、本質的な変化はない。白と黒の2種類しか色が用意されないが、人によって入っているアプリの構成や使われ方がまったく違う。
スマートフォンの時代になると、端末はハードの進化からソフトの進化へと移行し、その進化方法も持つ人に合わせたものになる。そんなスマートフォンの本質的な特徴を押さえながら、しかし上質で基本性能の高いスマートフォンというのが、僕からみたXperia像だ。
しかしながらスマートフォンとしてのXperiaは、特にスマートフォンを意識することなく開発が進められてきたそうだ。
「スマートフォンというより、ソニー・エリクソンとして、何を提供していきたいか、ということが開発の出発点でした。それを実現する手段として、Androidを採用したり、Timescape/Mediascapeといったシグニチャーアプリを入れた、という順番で成り立っています。もともとの考え方として、ソニー・エリクソンのテーマが先にあったのです」(安達氏)
そのテーマとなるのが「コミュニケーション・エンターテインメント」。表現したかったのは新しいコミュニケーションの形を実現する手法だったと安達氏は語る。Xperiaで採用されたインターフェイス「UXプラットホーム」やデバイスとしての性能などが、テーマを表現するためのツールとなっている。
「ちょうどタイミングとして、Androidやウェブ活用、クラウドとの接続という潮流がありました。またiPhoneが作ってきたスマートフォンの進化や普及も影響しています。総合的に、ユーザーに見える形で、コミュニケーション・エンターテインメントを表現した端末が、日本で発売するXperiaなのです。海外で発表したX10 miniやProモデルも、同じコンセプトを別の形で届けるツールです」(安達氏)
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