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松村太郎の“モバイル・ネイティブ”時代の誕生を見る 第5回

新しいコミュニケーションを実現するために作られた「Xperia」

2010年04月02日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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Timescapeは電話帳の再発明で
手のひらマッシュアップ

 XperiaはUXプラットホームを採用し、アイコンとなるアプリケーションにTimescapeとMediascapeが備わっている。特に注目したいのがTimescapeである。

 Timescapeはケータイの通話やSMS、メールといった通信履歴に加えて、カメラ、Twitter、mixi、Facebookといった端末で扱われるあらゆる情報を時系列に並べて見ることができるアプリケーションだ。なぜこのアプリケーションをXperiaに標準搭載したのだろう。

 「各サービスを楽しむためにはそれぞれのアプリがあるし、スマートフォンのブラウザで見ても快適に使えるよう作られています。しかし各サービスによって断絶してしまっている切り口が“人”です。
 たとえば友人とつながるサービスはTwitterやFacebookなどがありますが、特定の人とつながりたい、と思ったときに良いアプリがないことに気づいたのです。その人を見たいとき、使っているサービスに関係なくアップデートを時間軸で見ることができて、その人に対する発見をし、コミュニケーションを起こす。そんなインタラクションを求めたのがTimescapeです」(安達氏)

 TimescapeでTwitterの書き込みや写真を表示すると「infiniteボタン」と呼ばれる∞マークが付いたボタンが出てくる。これを押すと、対象となる人の画面が出てきて、その人との通信履歴、TwitterやFacebookの最新書き込み、端末内にあるその人が写っている写真などを見つけ出せる。

infiniteボタン

infiniteボタンを押すとその人物と繋がった意味合いを持つ機能が自動的に利用できる

 「電話として本来最も重要な機能であるはずの電話帳が、今まではややおざなりにされてきました。実際、電話帳に番号とメールアドレス以外の情報を充実させる動機はほとんどありませんでした。Xperiaでは、写真やTwitterの情報を設定すれば、電話帳で写真がクールに表示され、また電話帳一覧に最新のTwitterのポストが表示されます」(西村氏)

 ちなみにMediascapeでは、電話帳の中の人ではなく、音楽のアーティストの関連情報や動画を引き出すことができる仕組みだ。端末内の情報をトリガーとして、端末内の他の情報やウェブの情報を引き出してくる。まさに手のひらマッシュアップが展開される。

 このTimescapeとMediascapeは、スマートフォンが初めてのユーザーにとっても、スマートフォンで広がる世界を体験できるようになっている。確かにスマートフォンの魅力は、好みのアプリで機能を増やせることだが、ケータイから乗り換えていきなり、どれが自分の目的にあったアプリで、しかも自分好みであるかはわからない。

 「(Xperiaを)スマートフォンと呼ぶべきか、正直悩む部分もあります。Xperiaはアプリを足してカスタマイズしても、素でそのまま使っても、どちらでもいいからです。Timescape、Mediascapeを使ってもらえれば、アプリを足さなくてもケータイからギアチェンジした感覚がわかるはずです」(西村氏)

 新年度、新学期に発売されるXperiaは、非常に期待されている端末だ。iPhoneを中心に動いてきた日本のスマートフォン市場に対して、Androidという切り口で、そしてソニー・エリクソンというグローバルなブランドで、チャレンジすることになる。

 デザインのフィロソフィー(人間的な曲線・緊張感による精密さ)、コミュニケーション・エンターテインメントというキーワードに向けられた手のひらマッシュアップ感の魅力をいかに早く、多くの人が体験するかがポイントになってくるだろう。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。嘉悦大学、ビジネスブレイクスルー大学でも教鞭をとる。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。スマートフォンに特化した活動型メディアAppetizer.jp編集長。自身のウェブサイトはTAROSITE.NET


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