グローバルでラグが減ってきた
コミュニケーションのトレンドを取り込む
ソニー・エリクソンはXperiaをグローバルな開発環境の中で作り上げていった。世界に向けた共通仕様で開発をした端末が日本でも発売される、という形になる。これは今までの日本のケータイの作られ方、つまり日本向けに日本国内で開発された端末とは違うパーソナリティを持っている。
モバイル先進国の日本に必ずしも特化していない開発スタイルは、世界中のトレンドが「モバイルコミュニケーション」に向いているからこそ実現できている。
「スウェーデン、アメリカ西海岸、日本と、モバイルコミュニケーションが行なわれるエリアは多様です。その中で共通して広がっている次世代のコミュニケーションのヒントがありました。Timescapeは2009年になってから、特にTwitterの広がりにルーツがあります。
日本だけでは感じられなかった時代の流れを、グローバル企画・開発にすることで敏感に感じ取り、アプリ、サービスに落とし込むことができました。1年前に日本でTwitterと言ってもピンと来ませんでしたが今はわかりますよね。商品を作るときは肌で感じて“いいね”ということが大事なのです」(安達氏)
世界的にタイムラグが少なくなってきたコミュニケーションのトレンドは、グローバル開発のメリットが生きる土壌が整ってきたことを意味する。しかしXperiaはそれだけではない。発売する国のローカルの視点も加味されていく。
「コミュニケーション・エンターテインメントというテーマが与えられ、そしてアメリカのデザイナー/エンジニアが見たとき、シンプルにTwitterとFacebookは必要だと言い、他のエリアの人もそれが共有できました。
一方で、日本ではmixi、海外はそれぞれローカルで普及しているサービスに対応していかないといけません。実際各国で普及しているサービスにTimescapeを対応させて発売していきます。日本のユーザーに無理矢理このサービスを使え、ということではないのです。
日本ではmixiの7割がモバイルからの利用なのだから、Timescapeにmixiを入れよう、というロジカルな対応をきっちりと果たしました。オープン性を高めて、ユーザーによるカスタマイズ、発売地域への最適化、端末そのもののフレキシビリティを持たせていきたいと思います。というのも、来年なにが流行るか(今からは)わかりませんよね?」(西村氏)
端末作りについても、ユーザー目線で言えば海外端末・国内端末という垣根がほとんどなくなってきている。Xperiaは現時点で最高の端末を目指しているだけでなく、将来にわたって使い続けられる最高の端末を目指す。そんなプラットホームを持った端末がXperiaなのだ。
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