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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第55回

ライター・編集・システムの3人で動かす「らばQ」

2009年08月24日 16時00分更新

文● 古田雄介

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知識や経験がないまま急成長したのが今の悩み

―― スタートから半年で300万PVを超えるなど、すごく短期間での成長が目を見張ります。最初はあまり知識がなかったとはいえ、やはり相当ネットを研究しているのでしょうか?

らば いえいえ。謙遜ではなく、今でも全然ですね。素人3人衆という感じで(笑)。

ぜろんぱ 初期は菅野に色々リードしてもらったのが大きいですね。あと、ネットで人気サイトをみていると、共通で長く続けるというのが基本にあると思えたので、いかに長続きさせるかということだけは最初から念頭に置いていましたね。

こうし 最近になってトップブロガーの方たちと交流するようになったんですが、SEOのことやその存在自体知らないくらいだったので、いつもアドバイスをもらっています。初めてお会いする方からは、僕らが素人すぎて驚かれますが、それももう慣れました(笑)。


―― では、軌道に乗るまでの経緯を教えてください。最初から順調というわけではなかったんですか?

らばQ最初のヒット記事という「iPhoneの気になる価格と迫る現実!」。2007年6月26日に掲載しており、ここかららばQの人気に火が付き始めた

ぜろんぱ 一番最初は、ユニークユーザーが3人という状態でしたね(笑)。

らば 3週間くらい、ずっと3人しか見ていないかったんですよ。自分のことを棚に上げて、2人に「友達いないの!?」と詰め寄ったりしましたけど(笑)。ただ、菅野が「今は記事をためていく時期だ」と言っていたのと、私もとりあえず3年は続けてみようという思いがあったので、凹みながらもどうにか続けていました。

 すると、本当にたまたまだと思うのですが、1ヵ月くらい経った頃に2ちゃんねるに記事のリンクが貼られたんです。当時まだ日本で発売されていなかったiPhoneに関する記事で、これがすごくヒットしたんですよ。1日のユニークユーザー数が数千人になって、これまでの1000倍を軽く超えました。ここで初めて、記事が当たる快感を覚えましたね。

―― なるほど。たくさん訪れたユーザーの何割かが常連読者になって、らばQを支えていったわけですね。

らば ただ、そのときはまだ記事が30~40記事くらいだったので、定着してもらいにくい状況でした。だから、もっとたくさん記事を書いていかなきゃいけないと、その時に本気で実感しましたね。

ぜろんぱ そうやって記事を増やしていくうちに、羅列系のニュースサイトに拾ってもらえるようになって、アクセス数もコンスタントに増えていきました。その陰では、菅野の書いた記事がはてな界隈でよく読まれて注目されたというのも大きいですね。僕とらばは、どちらかといえばネットのライト層に受け入れられる記事ばかりを書いていたので、読者層を広げるという意味で初期の菅野の存在は大きかったです。

―― その後は現在に至るまで順調に成長している感じですか? それとも途中で難関にぶつかったりしましたか?

ぜろんぱ 運がいいことに順調ですね。菅野が辞めたときも、こうしがすぐ活躍してくれましたし。

こうし ただ、予想以上のペースで成長したことで、その器をどう活用していいのかというところで、今悩んでいますね。広告の収益システムだけでなく、ブログの枠に囚われない色々な取り組みをしていきたいと思っているんですよ。たとえば、海外情報を含む色々な記事を掲載するというのは、僕らじゃなくてもやれる人はいっぱいいると思うんですね。だから、ありがたいことに急成長出来た今、他ではマネできないことを増やしていきたんですよ。

 ひとつの取り組みとして、YouTubeの海外動画に字幕をつけて表示するという企画を始めました。当初は「字幕.in」というサイトさんのシステムを使っていたんですけど、今は自前で提供しています。そういったアイデアをもっと増やせればなと。でも、まだ頭が追いついていないんですよ。

「字幕動画」カテゴリには、YouTube画面の下に独自の字幕スペースを設けた動画がまとめられている

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