このページの本文へ

古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第55回

ライター・編集・システムの3人で動かす「らばQ」

2009年08月24日 16時00分更新

文● 古田雄介

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

文系×理系×英国暮らしの3人でスタート。
その後、理系→理系のメンバーチェンジ

―― らばQを始めたきっかけを教えてください。

ぜろんぱ 初期メンバーは僕、らば、菅野という友人で、3人ともスカイプなどを使って交流していました。以前から何か3人でやろうという話をしていて、2007年の春頃にブログをやると決めたんです。それぞれが得意分野の記事を書くというスタンスで、らばは英語が強いので必然的に海外ネタを書いてもらうとか、そういうノリでした。

らば 最初から収益が上がるブログを目指していたんですが、私はITがすごく弱くて、ブログを構築するシステム面といったところは2人に任せるかたちでしたね。最初から一人では出来ないと思っていたんですよ。だから、3人同時に「何かやりたい」となったのはありがたかったです。

らば氏が帰国し、3人がリアルで揃うタイミングでインタビューに協力してもらった。3人が並ぶこと自体がレアという


―― 3人の得意分野、それと職歴などのバックグランドは違ったんですか?

ぜろんぱ そうですね。正直、ITやネットに詳しいのは菅野だけだったんですよ。僕はシステム開発の会社で色々と手伝いをしていましたが、もともと文系でITに関しては今も素人です。現在はらばQに専念して活動していますが、システム面はこうしに頼りっきりですね。

らば 私は1997年からイギリスにいて、現在は学校関係の仕事をしています。イギリスは、日本で言う小学校から高校くらいの生徒が授業に付いていけない場合、マンツーマンで教えるスタッフを付けるんですよ。私はそうしたサポートの仕事をしつつ、日本語の授業もしつつという感じで生活していますね。でも、イギリスは物価が高いからなかなか食べていけなくて……。

こうし 彼女の家って、半分の部屋の電気がショートしているらしいんですよ。乗っている車も30万km走った中古車だったり(笑)。

らば だから、らばQがいずれ本職にできるくらいになったらいいなと(笑)。


―― その後、2008年3月にメンバーチェンジがあって、こうしさんが加入したわけですね。

こうし氏の目標は「サイトのデザインやシステムを作って、2人が記事を書く土台を整えていきたいです。そのうえで、無理なく高い収益が上げられるようになればいいですね。それこそ、らばの家の電気が全部通って、新車が買えるように(笑)」とのこと

こうし はい。3人とは以前から交流があり、菅野さんが脱退するという話を聞いたとき「じゃあ、やろうか?」ということになりました。

 僕は以前、プログラム系の会社をやっていたんですけど、下請け業務が主だったので、上から言われたものを淡々と作っていくという日々にちょっと飽き飽きしていたところがあったんです。個人ブログのシステム面を作るならもっと好き勝手に出来るかなという期待があって、ウェブのことはほとんど知らないままメンバー入りしました。

 あと大きかったのは、稼げる可能性ですね。入る前に某有名ブログさんの広告スペースの価格を調べて「こんなに儲かるんだ!」とびっくりしたのを覚えています。らばQもここまで大きくなれば相当な収益が上げられるぞと皮算用して参加したんですが……実際はなかなか厳しいようで(笑)。


―― アフィリエイトだけでなく広告記事も掲載するなど、かなり積極的に収益向上を目指していますね。現在のアクセス数があっても、厳しいですか?

こうし そうですね。広告スペースの価値がどれだけ高くなっても、埋まらないことにはお金になりませんから。広告を載せる媒体として見ると個人ブログの地位はまだまだ低いので、いくらアクセス数があっても、広告収入でウハウハなんてことにはなかなかならないんですよ。

 広告主からしたら、ちゃんとした企業が運営しているサイトに比べて、突然閉鎖したり、変な記事が載ったりするリスクが高いわけですから。仕方ないったらそうなんですけどね。広告記事も多くて月に4本くらいなので、収益の柱にはなっていません。ただ、手間も膨大にかかるので、これ以上のペースで受ける気は今のところないんですよね。だから、3人がそれだけで食っていくというのは、まだまだ現実的ではありません。

ぜろんぱ もともと3人で始めたのも、いきなり本業にするのはキツいだろうから、副業として3人で役割分担してやっていこうという方針があったんです。副業と割り切れば、収益が悪くても3人で分け合って続けていきやすいかなと。

広告記事は「広告」カテゴリにまとめられている。主にこうし氏が執筆しており、「悪いところは悪いとしっかり書いて、読者に向けた記事にするというポリシーはあります」と語る

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン