4月23日、ヴイエムウェアは、クラウドOSを謳う新しい仮想化プラットフォーム「VMware vSphere 4」を発表した。「クラウドOS」を謳う新バージョンでは、さまざまな機能が追加され、性能も一層強化されている。
クラウド基盤を謳う新しいVMware
VMware vSphere 4はVMware Infrastructure 3の新バージョンにあたり、効率、機能、パフォーマンス、拡張性などあらゆる面が飛躍的に向上している。これにより、プロセッサ、ストレージ、ネットワーキングなどのインフラ環境を一元管理し、企業においてクラウドコンピューティング環境を実現。また、クラウド同士を連携させるための共通基盤としても、vSphereが重要な役割を果たすという。
VMware vSphere 4は仮想化の効率性が向上し、VMware Infrastructure 3に比べ、仮想マシンの対応プロセッサを4から8へ、NICは2.5倍、メモリは64GBから255GBに引き上げられた。また、パフォーマンスに関しても、スループットが9Gbpsから30Gbpsへ、I/Oオペレーションを3倍拡張など大きく改良されている。
機能面でも大きな追加が行なわれている。おもな新機能や拡張は以下の通り。
VMware Fault Tolerance
ハードウェア故障が合ってもダウンタイムなしにサービスを継続する
VMware Storage VMotion
異種ストレージ間でのライブマイグレーションを実現する
VMware Data Recovery
データ保護のためのバックアップとリカバリを実現する
VMware vShield Zones
仮想マシンでのセキュリティを実現するファイアウォール
VMware Distributed Power Management
vMotion機能を使い、可能な限り少ない物理サーバに仮想マシンを集中させ、物理サーバの電力消費を押える。
vNetwork Distrbuted Switch
仮想マシンのネットワーク管理を容易に行なう仮想スイッチ。また、シスコシステムズとのパートナーシップにより、「Nexus 1000v」という分散仮想スイッチが提供される。
vApp
アプリケーションのコンポーネント、運用ポリシー、サービスレベルなどをカプセル化し、シームレスに移動させる。
GUIも大きく変更され、数多くの機能を効率的に操作できるようになっている。
1CPUあたり2万円の低価格パッケージも登場
パッケージングも大きく変更され、中堅・中小向けの新パッケージとして「vSphere Essentials」と「vSphere Essentials Plus」が追加された。vSphere EssentialsではESXiの基本的な管理機能を搭載したもので、「1CPUあたり2万円で、管理機能も含めた仮想化機能を提供できる」(三木社長)という敷居の低さが売り。また、エンタープライズユーザー向けにも「Enterprise」「Enterprise Plus」を追加する。
出荷は2009年度の第2四半期後半で、サポートおよびサブスクリプション契約を結んだVMware Infrustructure 3のユーザーは無償でのアップグレードが行なえる。また、サーバコストの半減を保証するプロモーションパッケージや全国20都市の「仮想化サミット2009」の開催など、プロモーションや営業面での施策も合わせて発表された。

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