「MTV2000」を名刺2枚分に徹底凝縮!! カノープスからLow Profile対応のテレビチューナ&ハードウェアMPEG2キャプチャカードがデビュー!
2002年07月01日 20時35分更新
原寸大のカード写真を掲載して小ささをアピールする「MTV2200 SX」のパッケージ |
2月に発売され、ハイエンドコンシューマ向けのテレビチューナ&ハードウェアMPEG2キャプチャカードとして確固たる地位を築いているカノープス製品「MTV2000」。そんなMTV2000をベースとしながら、TVキャプチャユニットを外付化し、ブックサイズPCなどの小型PC向けにLow Profile対応とした製品「MTV2200 SX」が店頭に並んだ。“SX”とは“Slim PC eXtension”の略で、Low Profile対応スロットしか用意しないような小型PCでの利用が強く意識されているのが製品名からも見て取れる。いち早く販売を開始した若松通商本店の店頭価格は5万9800円。
まさにLow Profile版MTV2000
ハードウェアの仕様はほとんど変化なし
「MTV2200 SX」カード部 |
驚くべきはまさにそのサイズで、カード部で165(W)×56(D)mmというのは名刺2枚分弱。これだけのサイズに“MTV2000引くTVチューナユニット”の機能が詰め込まれている。つまり、業務用機器にも搭載されている松下製のハードウェアMPEG2エンコーダ“VDSP3”はもちろんのこと、排他利用のデジタル3次元Y/C分離とデジタル3次元ノイズリダクション、そして同期信号の安定供給をはかるフレームシンクロナイザ、タイムベースコレクタにゴーストリデューサなどの機能を持ち、MTV2000最大の特徴となっているデジタル処理ドータボード“Triple 3D Video Processor”もそのまま搭載されているというわけだ。Low Profileへ対応するにあたり、Triple 3D Video Processorは長方形となっており、これによってカードの外観はほぼ同じサイズの基板を2枚重ねにしたような印象となった。
名刺(サイズは約91×55mm)2枚との比較。奥行きはほぼ同じで幅はかなり短い | サイズは小さくても“Triple 3D Video Processor”は搭載 | サイドから覗き込んでみると、その集積度合いがよくわかる |
キャプチャ設定はMPEG2時に解像度を720×480ドット(Standard)/352×480ドット(Half D1)から選択可能。ビットレートはStandard時に4~15Mbps、Half D1時に2~8Mbpsの範囲を任意に選択できる。MPEG1の場合は352×240ドット(Sif)、1~1.8Mbps。サウンドこれもMTV2000とまったく同じ。サウンドビットレートも128~384kbpsと、こちらも変化はない。
外に出されたTVチューナはカノープス製の「TBOX」。1万円台中盤で流通しているゴーストリデューサ内蔵のPC用TVチューナボックスがそのままパッケージに収められている。単純に“MTV2000+TBOX”では6万円を超えるわけで、かなりお得な印象だ。
TBOXのインターフェイスはS/コンポジット入出力、合計4系統で、TBOXの出力を直接MTV2200の入力端子に繋いで利用する仕様。TVチューナを外付けにしたことで、PC内部から受けるノイズが減り、MTV2000以上の画質が得られるかもしれないと考える人もいるだろうが、これについてカノープスの開発陣による非公式サイトで、あくまで保証外としながら「変わらない場合が殆どのはずだが、良くなる場合もあるかもしれない」(原文ママ)としているので、参考にするといいだろう。ほとんどの人にとっては、まったく同じに感じられると思われる。
Low Profileに対応するため、4系統のビデオ入力もカード側では1つにまとめられている。ピンジャック×2はサウンドライン入力で、ミニジャックは同ライン出力。もちろん標準サイズのPCIブラケットも同梱しているので、一般的なPCでも利用可能だ |
つまり、ハードウェア的には形状が変わっただけ、ということになるが、一方でソフト面には若干の変化があった。録画再生ソフトやDV→MPEG2エンコードソフト、DVD-RAMへDVDビデオレコーディングフォーマットで録画編集するソフトなどはMTV2000と変わらず、使い勝手こそ変化ないながら、MTV2200 SXでは新たにDVDオーサリングソフト「DigiOnAuthor for DVD LE」も同梱。これによりDVD-Videoの作成にも対応している。
また、外出先からインターネットを利用して録画予約が行えるようにもなった。これはTV番組情報サイト「テレビ王国」のリモート録画予約サービス「iCommand」を利用するもので、外出先からiモード携帯電話、あるいはPCを用いて録画が行える。MTVシリーズの製品でリモート録画予約に対応したのは今回がはじめて。
小型PCをHDDレコーダ化
機能面こそ大きな変化はないものの、Low Profileに対応したことで、市場に流通するほとんどのPCで利用可能になったのは極めて大きな変化だ。小型PCがメインだという人でも定番TVチューナ&ハードウェアMPEG2キャプチャカードを利用できるようになっただけでなく、マニアにとってはセカンド以降の小型PCをHDDレコーダ化してしまえるわけで、MTV2200 SXは日本のHDD環境をさらに加速させるブースターとなるかもしれない。なお、先日登場した“MTV2000対抗”NEC製TVチューナ&ハードウェアMPEG2キャプチャカードと比べると、リモコンがないのがやや惜しいところではあるが、前述の非公式サイトを見るとそれらしき製品の写真もあり、今後に期待がもてそう。MTVシリーズの進化はまだまだこれからも続きそうだ。
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