4:3でも、16:9でも、広角24mmで撮れる
LXシリーズの特徴は「16:9のワイド撮り」だ。他社のコンパクト機でも、16:9で撮影できる機種は多いが、多くは4:3で撮って、上下をトリミングする。それでは、実際のレンズの画角より狭い範囲しか写すことができない。そこでパナソニックは、撮像素子も16:9にして、よりワイドで広がりのある広角写真を撮れる「DMC-LX1」を発表した。2005年7月のこと。
ワイド撮影へのこだわりはDMC-LX3でも変わらない。しかし、DMC-LX3では16:9ではなく、スクエアに近い縦横比で、かつレンズのイメージサークルから少しだけはみ出す大きさのセンサーを使用している。これにより、どのアスペクト比でも縦横のトリミングなく、同じ画角が得られる。
「マルチアスペクト」と呼ばれているが、昨年発表された「DMC-TZ3」(関連記事)で初めて採用された技術。
DMC-LX2の場合、16:9では広角28mm相当で撮れたが、3:2では広角32mm相当、4:3では34mm相当の狭い範囲しか映らなかった。16:9でも、3:2でも、4:3でも24mm相当で撮れ、画素数もほぼ同じ(約9~10M)である点は他社ではあまりない特徴だ。
さらに、DMC-LX3では、レンズの広角側が24mm相当に広がっている。パナソニックはここ1~2年、広角に強いカメラとしてLUMIXのコンパクト機を打ち出しているが、この流れを継承している。
ちなみに画角は対角線で図るため、長辺に収まる範囲は、16:9のほうが広い(逆に短辺は狭い)。
そのため、同じ24mmでも縦横の比率で撮れる写真の印象はずいぶんと異なる。例えば、横位置の風景撮りなら、水平方向が広く収められる16:9、料理など奥行き方向も重視したい場合には4:3といった感じで、用途に応じて使い分けたい。
DMC-LX3では、ブラケット撮影の中に「マルチアスペクト」という項目が設けられ、1回のレリーズで印象の異なる3つの画角が撮影できるようになっているもの面白い。