松下電器産業(株)は31日、“旅カメラ”をコンセプトにしたコンパクトカメラ『DMC-TZ3』を発表した。価格はオープンプライスで、店頭での価格は4万7000円前後になる見込み。3月9日に発売する。
新開発がてんこ盛りの搭載レンズ
昨年2月に発表された『DMC-TZ1』(関連記事)の後継機種で、ポケットサイズ(薄さ36.7mm)の本体でありながら、広角28mm相当からの光学10倍ズームレンズを装備している(従来は35mmからの10倍ズーム)。
従来機種と最大の違いは光学設計。TZ1では、薄型の本体で光学10倍ズームを実現するために、屈曲式と沈胴式を組み合わせた独特な光学系を採用していたが、TZ3では沈胴式レンズのみとした。屈曲系のレンズモジュールが不要になった関係で、本体サイズも小さくできた。
このレンズモジュールを設計するに当たり、パナソニックでは、“高偏肉比・凹メニスカス形状”の両面非球面レンズや、“コンタクトレンズ並みに薄い”非球面レンズを新たに開発したという。レンズモジュール内には、色収差の少ないEDレンズやレンズバリアーも内蔵されている。メニスカスレンズとは、片面が凸で反対側が凹の三日月型レンズのこと。レンズの中央よりレンズの周辺が厚くなっているものを凹メニスカスレンズと言う。
撮像素子に関しても従来製品(1/2.5インチ)よりひとまわり大きな“1/2.35インチCCD”を採用した。一般的なデジタルカメラでは、イメージサークルに合わせてCCDのサイズが決められており、3:2や16:9の画像を出力する際には、4:3の画像の上下をトリミングしていた。このため画素数が減り、画角も4:3の画像より狭くなってしまうという問題があった。
一方、TZ3では、撮像面がイメージサークルよりもひとまわり大きく設定されているため、異なるアスペクト比でも同じ画角をキープでき、画素数も4:3で最大約710万画素、3:2で6.9万画素、16:9で600万画素とほぼ同じにできる。
本体サイズも薄型化し、持ち運びやすさが増した(写真左)。FUNCボタンを長押しすることで、簡易設定メニューが表示されるようにしたり(写真中央)、大型の3インチ液晶上にシーンモードを一覧表示できる(写真右)など、操作性もブラッシュアップされた
また、“旅カメラ”のコンセプトをさらに進め、モードダイヤル内に“メモ”モードを追加した。地図や時刻表、ガイドブックなどを撮影した画像を内蔵メモリー内の専用フォルダーに保存し、手軽に参照できるようにした。撮影時に範囲を指定することで、画像の一部分をワンプッシュで拡大することも可能だ。画像を参照する背面液晶パネルのサイズも、従来の2.5インチ(約20万7000画素)から3インチ(23万画素)に大型化した。
DMC-TZ3の主なスペック | |
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製品名 | DMC-TZ3 |
撮像素子 | 有効720万画素CCD(1/2.5インチ相当のエリアを使用) |
レンズ | LEICA DC VARIO-ELMAR 光学10倍ズーム |
焦点距離/開放F値 | 4.6~46mm(35mm換算で、28~280mm相当) / F3.3~4.9相当 |
ISO感度 | 最大1250相当(高感度モード時3200相当) |
液晶ディスプレー | 3インチ低温ポリシリコンTFT(約23万画素) |
記録メディア | SDメモリーカードまたは内蔵12.7MBメモリー |
バッテリー | リチウムイオン充電池 |
バッテリー寿命 | 約270枚(CIPA測定基準) |
本体サイズ | 幅105×奥行き36.7×高さ59.2mm |
重量 | 約257g(装備重量) |
