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実写で見る「LUMIX DMC-LX3」

2008年08月25日 09時00分更新

文● 周防克弥、小林 久/トレンド編集部

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DMC-LX3

ホットシューを搭載し、ストロボや外付けファインダーの装着が可能になったDMC-LX3

レンズは明るい、F2.0のズミクロンタイプ


 広角撮影の話が出たが、従来機種のDMC-LX2との大きな違いのひとつに、レンズの進化が挙げられる。ワイドに強くなっただけではなく、開放F値がF2.0~2.8となり、レンズも明るくなった。望遠側はLX2の112mm相当(4倍ズーム)に対し、60mm相当(2.5倍ズーム)までにとどまるが、この点は、撮影後のトリミングやEXズームなど、使いこなしである程度カバーできる部分だろう。

開放F値2.0ともなればコンデジでも背景をぼかせる。キレイに円形にぼけており、レンズの描写の良さを感じる。ピントの合っている部分からフォーカスアウトするあたりの描写がキレい

 ライカレンズで開放F値が2.0のレンズを「ズミクロン」と呼ぶ。絞りを開くと、そのぶんだけピントの合う範囲(被写界深度)が狭くなり、ボケ味を生かした作品作りも可能になる。センサーが小さなコンパクト機では一般的に背景をボカした撮影は難しいが、DMC-LX3で開放絞りを利用すれば、背景をボカした作品作りも比較的容易だ。

 例えば最短1cm(望遠側では30cm)まで寄れるマクロ撮影機能で、草花に寄れば、溶け込んだ背景の上に被写体を浮き立たせることができる。DMC-LX3ではシャッターボタンの右側のボタンを押すことで、画面上の任意の位置にフォーカスを合わせられる。三脚に固定した状態での撮影も便利だろう。



高感度性能もアップ


 センサーに関しては、DMC-LX2の有効1020万画素に対して、有効1010万画素とほぼ同クラス。出力サイズで比較すると、16:9の撮影時では、4224×2376ドットに対して、3968×2232ドットとひとまわり(118万画素ほど)小さい。ただし、この程度の差なら、画面で見る場合でも、印刷する場合でも気にするほどではないと思う。

 むしろ注目したいのは、ノイズの低減のほうだろう。1400万画素クラスのセンサーと同等の最先端プロセスを使用することで、フォトダイオードの開口率が高まった。CCDの感度はLX2に対して20%アップ。飽和も15%しにくくなったという。さらにアナログ回路を改善して、外来ノイズによる悪影響も低減している。これらは、高感度撮影時の画質に大きく影響してくる部分だ。いたずらに高画素を追い求めるのではなく、実際の画質を優先した点には好感が持てる。

ISO 80

ISO 100

ISO 200

ISO 400

ISO 800

ISO 1600

ISO 3200。ノイズが気にならないのはISO 400くらいまで、ISO 800からははっきりとノイズが分かる。ただし縮小するなど、用途を限定するならISO 3200でも実用域といえよう。

 光学式手ぶれ補正に、明るいレンズ、そして高感度に強いセンサーと画像処理の4つが揃ったことにより、暗い室内や夜景撮影など、撮影シチュエーションは大きく広がった。

 LUMIXシリーズには、被写体の明るさに応じて自動的に感度を調整する「インテリジェントISO感度コントロール」という機能が搭載されているが、これまでは常用可能な感度の範囲が狭く、それほど有効に活用できなかった。高感度でも問題ない画が出力されるのなら、こういった撮影アシスト機能の使いやすさも向上する。

 いずれにしてもズーム比や画素数といった、カタログで打ち出しやすいスペックよりも広角+明るさという通好みの改善が行なわれた点がうれしい。カメラの足回りというべき、レンズとセンサー、画像処理に真摯に取り組んでいる点は印象的だ。

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