パナソニック「LUMIX DMC-LX5」(以下LX5)は同社のコンパクトデジカメのシリーズ内でも異彩を放った機種になっている。LX5と同時期にモデルチェンジされた「FX」シリーズなどが1/2.33型MOSセンサー有効1410万画素へと高解像度化されていく中、LX5は従来機「LX3」と同様の有効1010万画素1/1.63型CCDセンサーを搭載している。
まったく同じものかというとそうではなく、オンチップレンズの位置やサイズなどを改良したものになっている。撮像素子に手を加えるのであれば解像度も上げればと思うところだが、無駄に解像度を上げてスペック上の数字を求めるのではなく、1画素あたりの受光面積を大きくすることで高感度時のノイズやダイナミックレンジの確保を優先した設計思想は好感が持てる。
ワイド側が明るい「ライカ DC バリオ・ズミクロンレンズ」
レンズは24mm~90mm相当(35mmフィルム換算)、F2.0~3.3光学3.8倍ズームの「ライカ DC バリオ・ズミクロンレンズ」を搭載。従来機であるLX3と比較すると、ワイド側は同じ24mm相当ながら、テレ端が60mm相当から90mm相当へと若干望遠側に伸びている。その分テレ端での開放絞りはF3.3へと多少暗くなった。
どのパナソニック製コンパクトデジカメにもライカDCレンズが搭載されているが、その中でも絞り開放値がワイド側F2.0と一番明るいものになっている。ズームの倍率こそ大したことはないが、その分開放値を明るくするなどのレンズへのこだわりも見逃せないポイントだろう。
しかし、いくらF2.0といっても過度なボケ味を期待してはいけない。確かにほかのコンパクトデジカメよりは大きめの1/1.63型の撮像素子とはいえ、35mmフルサイズからすれば極小な撮像面積であるのは間違いなく、開放絞りで撮影したとしてもかなり背景の像に輪郭は残る。ただ素直なボケ味なのは好感はもてる。
ズームレンズの根元部分にある「アスペクト切替スイッチ」には、従来の4:3/3:2/16:9のほか、新たに1:1のアスペクト比も選択できるようになっている。
記事掲載当初、「撮像素子自体の比率は4:3の比率なので、ほかのアスペクト比を選択した場合はトリミングする形で画像が保存されることになる」との記述がありましたが、これは誤りです。お詫びして訂正いたします(2010年9月13日)
アスペクト比の違い
なお、同じようなダイレクト切替機能として、通常のAFからマクロAF/MFなどを切り替える「フォーカス切替スイッチ」が側面側に配置されている。
