こだわり派に向けた、ハイエンドコンパクト機にまたひとつ魅力的な選択肢が加わった。キヤノンが17日に発表した「PowerShot G10」は、広角28mmからの光学5倍ズーム(手ぶれ補正付き)に、クラス最高レベルの高画素(有効1470画素CCD)、新映像処理エンジンのDIGIC 4などを搭載した同社ハイエンド機である。
ダイヤル操作にEOS共通オプションで、マニア度向上
特徴としては、やはり操作体系と外観だろう。デジタルカメラでは、背面の液晶ディスプレーに表示されたメニューを十字キーで操作して設定するのが一般的。しかしG10では、ISO感度や露出補正をフィルムカメラのようにダイヤルで調整する仕組みとした。ダイヤルは、ローレットが刻まれたアルミ削りだしタイプ。グリップ部分にも一眼レフ機と同じ合成ゴムを使用するなど、道具としての美しさ、使いやすさに徹底的にこだわっている。
背面液晶ディスプレーは3型(約46.1万ドット)。その右脇には従来機(PowerShot G9)同様ロータリースイッチを配置しているが、シルク印刷などを変更し、視認性を高めている。
オプションに関しても、ワイド/テレのコンバーター(TC-DC58D/LADC58K)のほか、防水ケース、EOSシリーズと共通のスピードライト(430EX II)やストロボ固定用のブラケット(SB-E2)、マクロライト(MT-24EX、MR-14EX)などを用意。RAW現像ソフトも、今回からEOSシリーズと同じ「Digital Photo Professional」となった。
DIGIC 4でノイズを低減、顔認識や動体認識も強化
画質面では、DIGIC 4の搭載により、高感度撮影時のノイズが大幅に抑えられた。また、逆光での人物撮影などに効果がある暗部補正、動きのある被写体を捉える際に有利な「サーボAF」(シャッター半押し状態でも認識した被写体にピントを合わせ続ける)機能なども利用できる。
このほか、横顔/斜め顔の認識や、被写体の動きに合わせて最適なISO感度を選択する「適正ISO感度コントロール」、セルフタイマーで、フレーム内の人数が増えた際に自動的にシャッターを切る機能など、インテリジェントな撮影アシスト機能も充実している。
本体サイズは幅109.1×奥行き45.9×高さ77.7mmで、重量は約350g(本体のみ)。バッテリーはリチウムイオン充電池(NB-7L)で、液晶モニターを使用して撮影した場合、約400枚の撮影が可能(CIPA測定基準)。記録メディアはSDメモリーカード(SDHC対応)。また、動画撮影機能は今回からMPEG-4 AVC/H.264方式を採用。2GBのメディアを使用した場合、最大640×480ドット/毎秒30コマで、約23分49秒撮影できる。
発売は10月中旬で、価格はオープンプライス。店頭での販売価格は6万円前後になる見込みだ。
