健康サーベイに答えているのに、産業医でイチから説明するのはもうやめたい
健康経営って、正直うっとうしくない?
「最近、よく眠れていますか」「仕事でストレスを感じていますか」。会社から定期的に届く健康サーベイ。従業員を気遣うための取り組みだとはわかっていても、忙しいときに似たような質問へ何度も答えるのは、正直ちょっと面倒だ。
回答によっては、「産業医への相談をおすすめします」と通知が届くこともある。ところが、自分では特に症状を感じていないので、面談で何を話せばいいのかわからない。産業医も健康状態の確認から始めるため、サーベイで答えたことをもう一度説明することになり、「結局、二度手間では」と感じることもある。
健康サーベイと産業医がつながっていない問題
この「サーベイと医療支援のすれ違い」に着目しているのが、新潟大学発スタートアップの株式会社アイセックだ。
企業の中には、健康診断、ストレスチェック、勤怠、面談記録など、さまざまなデータがある。ただし、それぞれが別々に管理され、うまくつながっていないケースが多い。情報はあるのに、誰にどのような対策が必要なのかは、産業医や人事担当者の経験に頼りがちだ。
健診データとサーベイを、ひとつにつなぐ
アイセックが開発する健康管理プラットフォーム「Aivy(アイビー)」は、健康診断の結果とWeb上の健康サーベイをまとめて分析し、企業の健康課題を見える化する仕組みだ。
健康診断のデータは、健診機関によってフォーマットや判定基準が異なる。Aivyは、こうしたデータを統一して管理し、産業医や保健師が確認しやすい形に整える。健康サーベイは、健康経営度調査の指標に準拠しており、健診結果と組み合わせることで、身体の状態だけでなく、働き方や生産性に関わる課題も把握する。
さらにアイセックは、新潟大学医学部との連携や、県内企業を支援してきた知見を生かし、企業ごとの課題に応じた健康経営の施策を提案する。データを管理するだけで終わらず、どの課題を優先し、どのような対策を取るかまで支援するのが特徴だ。
企業の健康管理から、予防医療の基盤へ
現在は新潟大学医学部と連携し、医学の知見を企業の健康管理へ取り入れる仕組みづくりを進めている。こうした取り組みが全国に広がり、健診結果や健康サーベイを共通の基準で扱えるようになれば、不調の早期発見や病気の予防につながる。
新潟市の調査では、5年連続で健診を受けた国民健康保険加入者は、5年連続で受けていない人に比べ、年間医療費負担が15~17万円軽減した(参照:新潟市健康づくり推進基本計画)。健診の受診だけで差が生まれたとは言い切れないが、日頃から健康状態を把握し、早めに対処することの意味を示す数字ではある。従業員の健康管理から始まった仕組みが、将来的には医療全体の負担を軽くする基盤になっていくかもしれない。
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