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息をのむ美しさに脱帽

『Ghost of Yōtei』途切れない寄り道に無我夢中 何でもアリな戦闘はめちゃ楽しい

文●Zenon/ASCII

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●理不尽なミニゲームに身ぐるみはがされた話

 40時間ほどプレイしてまだ半分も来ていないと思うが、とても没入して遊べている。気になるところがあるとすればミニゲーム「銭弾き」が理不尽な難しさに感じたことだろうか。

 銭弾きは、卓上に散らばった銭をデコピンで飛ばし、ほかの銭にぶつけていくミニゲーム。DualSense ワイヤレスコントローラーのアダプティブトリガーを使った、絶妙な力加減が求められるのが特徴だ。

銭弾きのミニゲーム。最初にやった時は相手にターンを回さず勝てて「うほっ、いい稼ぎ場み~っけ」と思ったものだ

 ただ、何度かやっていくうちに「銭が不可視化」するという理不尽な難易度アップが入りクリア困難に。記憶を頼りに弾くが、画面も回転するのでどんどん記憶があいまいになっていく。いっとき、有り金をまとめてふんだくられるほど負けが込んだ時があり、すっかり苦手意識を持ってしまった。

え? 手元の銭以外、何も見えないんですが……

 その後、敵を倒して大量に持っていた「銅」を売り払って財布事情を改善したものの、ちょっとこれは投げだす人もいそうだ……と思う難しさだった。

追記:銭の不可視化現象はバグであり、発売日パッチで修正されるとのこと。良かった!(2025年9月26日)

 そのほか、寄り道をすれば新たな「鎧」が手に入ることも。頭装備や面は見た目が変わるだけだが、鎧は特殊効果があるので、しっかり強化して選びたい。鎧によって敵を「腰抜け」の状態異常にしやすくするものや、「弓矢」が強化されるもの、「闇討ち」がしやすくなるものなどがあった。

筆者は相性のいい武器種で戦うと、体力が回復することのある「常世の鎧」がお気に入り。見た目も武者っぽくて好き

●物語は重くて人を選びそう 戦闘や探索の面白さは◎

 本作の主題は主人公の少女「篤(あつ)」による復讐の物語だ。かつて家族を殺し、自分をイチョウの樹ごと焼き払ったにっくき仇「羊蹄六人衆(ようていろくにんしゅう)」を討つため、地獄の淵より生還した。

 言ってしまえば篤の目的は「仇討ち」ただ一つ。6人いる仇の名を帯に刻み、1人抹殺するごとにその血で名をぬぐい潰していくその様は、まさに「怨霊」と呼ばれるだけの威圧感を覚える。

物語序盤の篤はまさに「復讐の鬼」

 ムービーシーンと動かせるゲームプレイはシームレスに繋がり、違いがわからないほどクオリティが高い。まるで動かせる映画のようで、篤への感情移入がはかどった。

 テーマが重いので物語はやや人を選ぶと思うが、戦闘や探索の楽しさは折り紙付きで保証するし、美しい大自然と演出の見事さは一見の価値がある。ぜひ羊蹄山を拝みながら雄大な旅路を送ってもらいたい。

【ゲーム情報】

タイトル:Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)
ジャンル:アクション
販売:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
開発:Sucker Punch
プラットフォーム:PlayStation 5
発売日:2025年10月2日予定
価格:
 スタンダードエディション:8980円
 Digital Deluxe Edition:9980円
CERO:Z(18歳以上対象)

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