学習不要な外観検査AI「ゼロ学習異常検知生成AI」機能を正式リリース
製造業x生成AIベンチャーのOUEN株式会社は1月29日に、学習が不要な外観検査AI「ゼロ学習異常検知生成AI」を、ノーコード外観検査ソフト「OUEN Inspection Designer」の新機能として正式リリースしたことを発表した。従来の画像処理やAIでは対応が難しかった食品、繊維、物流、資材などの多品種少量生産やばらつきの多い検査ラインにおいても、外観検査の導入が可能になるとしている。
「ゼロ学習異常検知生成AI」は、従来型AIの教師あり学習(不良品学習)や教師なし学習(良品学習/アノマリー検知)が必要としていた、検査対象の製品画像の学習を必要とせずに検査ができる技術。同社独自開発の生成AIは一般物体の認識をはじめ、独自に作成したデータを学習しており、研究分野においてもMVTecデータセットにてピクセルAUCスコア90以上の精度をマークしているという。また、検査速度は~100ms/枚と高速な検査ラインでも適用可能だという(通常のGPU付きPCを使用)。
活用シーンとしては、機械部品、衣料、繊維(検反)などの「多品種少量ライン」、食品、ねじやナットなどの機械部品、物流の梱包検査、受入検査、出荷検査といった「整列されていない搬送ライン」、原料、加工品を含む食品一般、木材、石材などの自然物およびその加工物といった「食品や自然物などのライン」が想定されている。
同社では、外観検査ソフトウェアを含む生成AIを活用した検査および最適化・チューニング技術に関して製品開発を進めるとともに、広範な権利取得を目指した根幹技術の特許出願を完了しているという。この特許出願によって当該分野における競争優位性を確保し、新たな業界基準を確立することを目指しているという。