中国のスマートフォンメーカーが日本への攻勢を強めている。
数年前までは、SIMフリー市場を中心にファーウェイが一強であったが、当時のトランプ政権による禁輸措置によってGoogle Playやクアルコムの5Gモデムなどが使えなくなり、最先端のスマホが売れなくなってしまった。結果、スマートフォン市場でのシェアを落とすなか、ここにきて、別の中国メーカーがハイスペックやコストパフォーマンスを武器に日本に勝負を挑みつつある。
ZTE「nubia」ついに上陸
ZTEジャパンは3月14日に新製品並びに日本展開の戦略発表会を開催した。
ZTEといえば、2008年には日本で法人が設立され、以後、16年に渡って、キャリア向けなどに製品を納めるだけでなく、SIMフリー市場にも端末を投入してきた。2023年には日本での累計出荷台数が1000万台を突破するほどだ。
そんなZTEジャパンが、今回、折りたたみスマートフォン「nubia Flip 5G」を発売する。価格は7万9800円。すでにワイモバイル向けに供給され、条件を満たせば3万9800円で購入できる「Libero Flip」がベースとなっている。
これまでもサムスン電子やモトローラなどが折りたたみスマートフォンを投入してきたが、頑張っても10万円弱という値付けがやっとであった。しかし、ZTEではキャリア向けなら3万9800円、SIMフリー市場で7万9800円とインパクトのある値付けを実現している。
これまで折りたたみスマートフォンは「気になる存在だが、価格が高くて手が出ない」といった商材であったが、ZTEによって一気に普及価格帯に降りてきた印象だ。
実際にLibero Flipを使ってみたが、質感やカメラ、FeliCaなど、使い勝手や性能には満足できるレベルであった。これが3万9800円で購入できるとはコストパフォーマンスの高さに驚くほどだ。
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