久留米市が新規事業創出とスタートアップエコシステムの形成を目指す「START-K」プロジェクト始動
久留米市「START-K」プロジェクトの始動と目指す未来
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若年層が持つ独創的なアイデアを形にする「START-K」概要
ここまで「START-K」のキックオフイベントの模様をお伝えしてきたが、あらためて同プロジェクトの概要や具体的な取り組みについて紹介する。久留米市商工観光労働部の新産業創出支援課で「START-K」に携わる佐藤未来氏に話を伺った。
「START-K」は次世代を担う大学生から35歳未満の若年層を対象に、ビジネスアイデアの事業化を支援することを通じ、久留米発で新しいビジネスを創出するプロジェクトだ。「START-K」が提供する具体的な支援事業の第1弾として、2023年9月から「KURUME START FOUNDING ACADEMY」がスタートする。
久留米市は若年層が独創的なビジネスアイデアを持っているものの、事業化につなげられていない実態を把握していた。久留米市は商工会を中心に、定期的に創業塾や個別相談会を実施してきた。その参加者の多くは30代以上だったが、2022年度に学生を対象にした起業イベントを開催したところ、学生も若者ならではの斬新なアイデアを持っていることがわかったという。
「KURUME START FOUNDING ACADEMY」は、2023年9月からプログラムを開始し、2024年2月10日に成果発表会(デモデイ)を開催。まずは20名程度の参加者を選抜し、新規事業の立ち上げプロセスや事業計画書の作成方法、プレゼンのコツなどをレクチャーする。
久留米市が独創的なビジネスアイデアの事業化を支援することに関して、新産業創出支援課の佐藤氏は次のように語った。
「人手不足や環境問題などの社会課題を解決するスタートアップの創出に加え、地域の特徴を生かしたスタートアップの創出にも注力したい。久留米市は医療やバイオ産業が発達しており、久留米リサーチ・パークでは、数億円規模の研究設備も利用可能だ。創業初期の資金が不足しがちな時期に、久留米市の強みやスタートアップエコシステムを活用してもらうことで、誰にでも起業のチャンスがある環境を整備していきたい」
「START-K」では「KURUME START FOUNDING ACADEMY」の開催後も、久留米市発のスタートアップエコシステム形成に向け、継続的な支援を提供していく予定だ。
佐藤氏は「今回のキックオフイベントには、チラシを見た地元企業の飛び入り参加もあった。スタートアップエコシステムの形成には、こうした連鎖が不可欠となる。今回のプロジェクトをきっかけに、企業や投資家、学生などが交流するコミュニティを形成し、協業やエンジェル投資などの具体的なアクションにつなげていきたい」と語った。
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