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アジア発の社会課題解決を狙う選抜スタートアップがプレゼン

「AEA2022」ピッチレポート

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嗅覚のデジタル化によって品質管理を行う(MUI Robotics)

 「MUI Robotics Company Limited」はタイからの参加。嗅覚のデジタル化によって品質管理を行う技術の開発をしており、さまざまな分野で嗅覚に関する課題を改善しているという。

 同社の「デジタルノーズ」技術は、臭いを数値化することで、食品、化学、化粧品などさまざまな分野での品質管理などに使用されている。

 ビジネスモデルとしては、製品の販売、サブスクリプション、ラボ提供の3つがある。設立から間もない状態だが、多くのクライアントがおり、売上を上げている。
 嗅覚だけでなく味覚もセンシングを開発しており、今後は、嗅覚、味覚の分野で最先端の企業を目指していると締め括られた。

 どれくらいの臭い検知ができるのかという質問には、「デジタルノーズはAIを使ったものなので、覚えさせていく必要がある。また、顧客ごとにカスタマイズしており、ニーズによってセンサーを変えるなど適した対応ができる」のが特徴だという。
 製品ライナップに関しては、「臭いの検知ができるというのは世界でもなかなかないと考えており、そういう意味ではイノベーティブでユニークな製品と自覚している」とコメントした。

 興味があるマーケットは、フルーツ(食品)と飲料、そしてプラスチック分野。飲料はコーヒーの焙煎事業者からの引き合いがあり、人が行っていた作業分野を代替できるメリットがあるという。またペットボトルの素材臭が原因で納品できないケースがあった例などから、品質管理面でのニーズがあると示された。

スマートフォン装着型医療機器「スマートアイカメラ(SEC)」(OUI)

 最後は、日本から参加の「OUI Inc.」が、「いつでも」「どこでも」「誰でも」「眼科診断ができる」ことを実現するスマートフォン装着型医療機器「スマートアイカメラ(SEC)」の紹介をした。

 眼科医によるスタートアップで、医者とエンジニアが在籍しており、目の健康(失明対策)に取り組んでいる。
 スマートフォンに接続するデバイスで、1台あたり2000ドルと既存品に比べて安価で、ポータブルであることが特徴だ。スマートフォンの光源だけで診察が可能で、アプリから眼科医が必要な光源を用意し、撮影後はデータをクラウドへ転送することで医師はリモート診察ができる。

 日本だけでなくEU、ケニア、ベトナムでの医療機器認証登録を行っており、ビジネスモデルとしてはハードウェアの売上、アプリのサブスクリプション、コンサルティングフィーがあり、今後は、AI診察も導入予定だ。
 すでに世界中に20以上のパートナーがおり、100台以上のデバイスが使用されている。「SEC」は、診断デバイスなので治療を行える現地の医師との連携が必要としている。AIやリモートでの診断が行えるので現地の眼科医の負荷を減らし、より多くの人を治療できると期待がさている。

 資金調達に関しては、助成金だけでなくVCからの調達もあり、プロジェクトのためにはより多くの投資も必要と示された。

 また、新興国と先進国が抱えている問題には同じ部分があると感じており、新興国では診断そのものが必要で、先進国では診断に関する精度が重要になると感じている。このシステムを使って診断が普及することで、どちらの問題も解決できるのではないかと示された。

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