メルマガはこちらから

PAGE
TOP

アジア発の社会課題解決を狙う選抜スタートアップがプレゼン

「AEA2022」ピッチレポート

特集
ASCII STARTUP イベントピックアップ

1 2 3 4

 「アジア・アントレプレナーシップ・アワード(以下、AEA)」は、成長著しいアジアから優秀なテクノロジーを持つ起業家・スタートアップが集まり、社会課題解決につながるビジネスプレゼンを競い合う、国際的なイノベーション・アワード。2023年度は、10月26日にオンラインで開催予定となっている。

 本稿では、昨年度の「AEA2022」におけるファイナリスト6社を振り返る。「ヘルスケア」「ワーク&ライフスタイル」「サステナビリティ」に関連したソリューションを持つ、アジア各国・地域からの24社の技術系スタートアップから選抜された各社のピッチ内容をお届けする。

新触媒を用いた燃料用クリーンアンモニア製造技術(Liquium)

 まずはニュージーランドから参加の「Liquium」。2050年までに50%の温室効果ガスの削減という目標を達成するため、新触媒を用いた燃料用クリーンアンモニア製造技術を紹介した。現在は、農業や化学用途での利用が主であるアンモニアだが、脱炭素達成ソリューションとして、燃料、水素の原料として注目されており、ニーズが急増すると予想されている素材だ。

 従来技術では、アンモニアの精製には高温と高気圧が必要で、それが低温で実現できるのが画期的な部分としている。それに伴い、エネルギーを含めたコスト削減が可能で、なおかつ大規模な生産にも対応する。
 生産されたアンモニアは、日本をはじめアジアパシフィック、全世界へ輸出可能で、購入先でも脱炭素エネルギーとして使用可能なだけでなく、モジュール化された施設、知財(ライセンス生産)などの販売によってプラントを現地で拡張することも計画している。

 Liquiumでは生産の効率化を追求することにおいて、日本を含む20カ国で特許をとっており、パイロットプラントの稼働からより大規模なプラントの稼働へ進めていきたいとしている。

 会場からは、生産効率の最も良い温度帯や、従来技術を含む競合優位性などの質問があった。対しては、「ベストな設定をパイロットプラントで探っており、高温、高気圧であれば効率が良いが、それを低温でも効率を上げるために研究をしている。需要が増加する中で従来技術ではまかないきれないニーズを私たちの技術で補える」と意義が強調された。

 また、資金調達の規模やその効果についての質問には、「今後2年間においては十分なキャッシュはあるが、数百万ドル程度を想定している。プラントの拡張や会社規模の拡大など将来の成長に必要な資金として数億ドルは必要だ」と示された。

遠隔健康管理モバイルプラットフォーム(Nervotec)

 続いては、シンガポールから参加の「Nervotec」が、映像分析技術による遠隔健康管理モバイルプラットフォームを紹介。

 例えば日本においては「過労死」という言葉があるように、労働者がメンタルヘルスに問題を抱え、そのために労働生産性が下がることが問題となっている。適切なケアを行うことで、メンタルヘルスの改善や離職率などの問題を改善できるが、そのためのデータ取得が課題になる。

 Nervotecでは、スマートフォンのカメラで顔の表情や、カメラに映ったパルスオキシメーターの数値などからバイタルデータを取得したり、利用者のボイスメモや絵文字などを入力することで、ストレスチェックや感情分析に役立てることができる。これらの情報から、利用者の体調、健康状態を分析できるとしている。
 用途としては、従業員の健康管理だけでなく、保健業界や医療、スポーツなどメンタルヘルスを含めた健康状態を把握する必要のある現場での活用が見込まれている。実証実験も行われており、メンタルヘルスの改善やパフォーマンス向上などの効果測定を実施している。

 質疑応答では、成長戦略についてどのように利益を出していくのかという質問には、「ライセンス販売だけでなく、継続収入(更新、サブスクリプションなど)も含めて使用者が増えることで収入が増える仕組みである」と回答。また、東南アジアでは唯一のソリューションを提供しており、潜在顧客も見込まれるとしている。

 今後に関しては、従業員エンゲージメントや生産性の向上を目指す企業とのコラボレーションなどを目指しており、日本市場に関しても東南アジア、欧米での実績をふまえてチャンレンジしていきたいとした。

1 2 3 4

合わせて読みたい編集者オススメ記事

バックナンバー