起業家支援、イノベーション創出 関係者が語る堺市事業の現在地点と未来
堺市イノベーション創出の支援者が集結
提供: NAKAMOZUイノベーションコア創出コンソーシアム、堺市
共感を呼ぶ情報発信から、集まれるコミュニティ拠点の運営へ
今回のラウンドテーブル ミーティングが実施された「さかい新事業創造センター(S-Cube)」の1Fに2023年10月2日、市内外のイノベーターが集まる、イノベーション交流・共創拠点「Community room cha-shitsu(茶室)」を開設した。コミュニティーマネージャーが2人常駐して、気軽な会話や相談から、利用者どうしの交流や支援のつなぎ込みなど、人と情報を繋ぎ創業期の支援から事業成長をサポートする。10月20日には学生起業家、堺市長も参加するオープニングイベントを開催する。
S-Cube内に新設された交流拠点「Community room cha-shitsu(茶室)」は、創業5年目のスタートアップ株式会社ATOMicaが運営を担当する。本社は宮崎だがスタッフが各地域に常駐して共創空間づくりを支援するソーシャルコワーキングを全国で20拠点近く運営しており、そのノウハウを活かしてCMT(コミュニティマネージャー)が常駐してサポートする。代表取締役Co-CEOの南原一輝氏は「いわゆる場を運営するのではなくつながりを生み出す、新しい挑戦をしたいという方々が一歩踏み出す場所を創りたいと考えています」と話す。
ストーリーシート作成業務「堺イノベーション」
https://note.com/sakai_innovation
https://www.instagram.com/sakai_innovation/
堺市では実施するプロジェクトや特徴的な取組などを記事化し、スタートアップ、中小企業等の想いや社会、地域にもたらす価値など、共感を呼ぶストーリーシートを作成している。担当する株式会社マミー・クリスタルは関西を中心に地域密着のリアルコミュニティ「マミクリ」を展開し、子育て世代の女性が参加するコミュニティによる社会課題の解決をめざしている。すでに昨年度から堺市のスタートアップ、中小企業等を取材する活動をしており、女性目線、市民目線でまとめた記事をnoteやインスタグラムを通じて発信している。取締役副社長の松田綾子氏は「ライターや撮影スタッフは全て堺市民で構成されており、できるだけわかりやすい言葉で発信することを心がけています」と話す。
社会課題解決型イノベーションPR業務
https://ascii.jp/featuredarticles/3000980/
ストーリーシートとは別に媒体を通じた情報発信などについては株式会社アスキー総合研究所が担当する。マミー・クリスタルと同じく昨年度から堺市に協力しており、各事業の活動紹介やイベントの紹介、運営もサポートしている。昨年度は堺市関連のイベントの開催レポート、堺市に所縁のある起業家インタビュー、コミュニティイベントを運営した。今年度も同様に実施していく予定だ。
担当するASCII STARTUPの鈴木亮久は「当社では10年前からスタートアップをテーマにしたコーナーを立ち上げており、全国各地の活動を取材した記事を発信している。今日はせっかく全事業者がラウンドテーブルで集まったので各事業を可視化し、アーカイヴを意識した内容で記事にし、過去記事も含めて参考資料として活用できるようにしていきたい」と述べた。
堺市のS-Cubeでは、長年起業や新ビジネスに取り組む方を支援するため、インキュベーション事業を実施してきた。15から50平方メートルまでのオフィスとラボがあり、合わせて部屋数61室、24時間利用可能な施設となっており、周辺の堺商工会議所、堺市産業振興センター、大阪公立大学等とも連携するなど、中百舌鳥エリアは創業環境が整っている。
インキュベーションマネージャー3名を中心として、創業間もない方や第二創業など経営が不安定な時期を安定して成長できるように様々な支援を約20年にわたって行ってきた結果、180社を超える企業を輩出してきた。
また、堺市を実証フィールドとして、製品やサービスのPoCや試作開発など、実証事業の支援をするスタートアップ実証推進事業も展開しています。具体的には、市内の公共施設や協力企業の施設の調整、実証事業にかかる経費補助(補助率1/2、上限100万円)、実証事業のPR支援などを行っており、昨年度に続き今年も4社を支援する。
堺市では様々な施策が増え、それぞれの取組で成果が出てきたが、一方で取り組みの関係者が横のつながりを持つ機会がなく、点から線へ、さらに面へと相互協力や相乗効果につなげていくことが難しかった。そこで本年度は本格的な活動が始まる前に関係者が集まるミーティングが設けられ、オンラインを含めて全事業社が参加した。
ディスカッションの中でも人と人の交流の機会を設けることや、情報を共有することの重要性が複数の参加者から意見として出された。例えば、オンラインコミュニティツール「テイラーワークス」を使用して、プロジェクト関係者や支援者が距離や時間に関係なく参加できるようにしている。また、自治体としてはイノベーションを支援する活動は長い目で見る必要があることから、中学校で特別授業の実施をはじめ、子育て世代やシニアが参加しやすいイベントを増やし、リアルな連携を深めるといった案も提案された。
今後も堺市では関係者の情報交換はオンラインを交えながら継続的に実施するとしており、交流の中からどのようなアイデアが生まれ、実現するのか引き続き注目していきたい。
オープニングイベント
開催日時:
2023年10月20日(金) 15時30分~17時(受付は15時から)
開催場所:
さかい新事業創造センター(S-Cube)Community room cha-shitsu(茶室)
(大阪府堺市北区長曽根町130-42)
メインプログラム:
「市長と語る、堺のイノベーションの未来 ~堺に新たな流れを。つくる場を“つくる”~」
登壇者:
ATOMica代表取締役 Co-CEO 南原一輝氏
関西学院大学 経済学部 藤本樹林氏
堺市長 永藤英機氏
対象者:
市内外の事業者等
定員:
先着40人
参加費:
無料
申込方法:
10月19日までにホームページの申し込み欄のURL(https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/nakamozu-innovation/open_event.html)から必要情報を入力のうえ、申し込み。※定員に達し次第受付終了