このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

新型「センチュリー」は日本のおもてなしと匠の技が融合した選ばれし者の車

2023年09月09日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

トヨタ/センチュリー(2500万円)

◆オフロードも走れそうな、まったく新しいセンチュリー

 トヨタ自動車は、同社フラグシップ「センチュリー」に新型モデルを追加。9月6日より「センチュリーマイスター」が在籍する一部のトヨタ車両販売店での注文受付を開始した。価格は2500万円。なお従来のセンチュリー(セダン)は継続販売する。

3代並んだセンチュリー

 センチュリーは、トヨタにおける最上級ショーファー・ドリブン・カー。主に日本国内の官公庁・企業などでの公用車・社用車(役員車)の利用が想定され、日本の天皇および皇族が乗車する御料車や、内閣総理大臣専用車としても使用されている。後部座席の広さや乗降のしやすさなど、快適性に重きを置いた作りと日本製らしい質のこだわりを特徴としている。なお、ショーファーカーとは運転手付きのクルマのこと。

初代センチュリー

初代センチュリー

初代センチュリー

 初代が誕生したのは1967年のこと。当時の日本のショーファーカー市場は、欧米ブランドの輸入車が席巻していた。そこで明治100年を迎えるにあたり「日本の実力を世界に示す、格式高い車」「日本人の誇りと実力を示しうる、選ばれた方にだけお乗りいただく車」として誕生した。以後、1997年まで実に30年間にわたり生産される超ロングセラーになった。なお、センチュリーという車名の由来は、トヨタグループの創設者である豊田佐吉の生誕100年から取られた言われている。

2代目センチュリー

2代目センチュリー

2代目センチュリー

 1997年に登場した2代目も2017年までの20年間生産されたロングセラー。片バンクの6気筒にトラブルが生じても、残りの6気筒で走行できる日本車初にして唯一のV型12気筒エンジンを搭載。同じようにブレーキをはじめ、走行機器の多くにバックアップのための2重系統化が施されていた。センチュリーロイヤルが御料車として使われ始めたのはこのモデルから(それ以前は、日産・プリンスロイヤル)。

3代目センチュリー

3代目センチュリー

3代目センチュリー

 3代目が登場したのは2018年のこと。エンジンをV8ハイブリッドとすることで燃費が大幅に改善したほか、予防安全技術も進化した。2019年の第95回箱根駅伝より大会本部車、または会長車として白のセンチュリーGRMNが投入されたほか、第126代天皇徳仁の祝賀御列の儀ではパレード用オープンカー仕様が登場するなど、メディアへの露出も増えた。

 このように誕生から56年が経過するにも関わらず、フルモデルチェンジはわずか2回で、セダンというスタイリングは変わらなかった。だが、新モデルは誕生以来、最大の変化といえる。

◆新時代に合わせた威風堂々さ

センチュリー新モデル

 今回追加された新モデルは、「これからの時代における新しいショーファーカー」として開発。威風堂々たる風格はそのままに、現在のショーファーカーに対するニーズに応えた1台に仕上げられている。

サイドビュー

 プロポーションはセダンタイプから大きく変更。水平・垂直を基調としながら、リアに重心を置いたショーファーカーならではのプロポーションとすることで、特別な1台であることを表現している。ボディーサイズは全長5205mmと、セダンと比べて短くなっているものの、全幅は1990mmと60mm拡幅、全高に至っては1805mmと300mm以上高くなっている。さらにホイールベースは短くなるものの、前後席間距離は1220mmと85mm伸長された。

フロントマスク

リアビュー

塗装は11回の工程を経ている

 中央に鳳凰のエンブレムを置く大型のフロントグリルはセンチュリーの系譜を受け継ぐが、ヘッドライト、テールライトともに角型4灯へと変更。新しい威厳を周囲に与える。外装はセンチュリーらしく、水研ぎ3回による鏡面仕上げ。本体カラーは7色用意されている。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ