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介護の現場で本当に必要な声で生まれた「Helppad2」が優勝 「IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO」上位5社

「IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO」レポート

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 国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2023 KYOTO」が、2023年6月28日から30日に京都市勧業館「みやこめっせ」で開催された。29日には、メインコンテンツのひとつである、ピッチコンテスト「IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO」が行なわれた。

 約400社の応募の中から選ばれた国内外のスタートアップ14社が登壇し、6分間のプレゼンテーションを披露。1位となった株式会社abaには、京都府からスタートアップ京都国際賞として1000万円の補助金が授与された。

京都府知事の西脇隆俊氏(左)と株式会社aba代表取締役CEOの宇井吉美氏(右)

 本記事では登壇企業14社の中から、1~5位に選ばれた企業のピッチを紹介しよう。

【第1位】株式会社aba、においを検知する排泄センサー「Helppad2」

株式会社aba 代表取締役CEO 宇井吉美氏

 第1位のabaは、においで尿便検知ができるセンサーを使った排泄ケアシステムを展開する。介護の現場では、寝たきりで意思疎通が難しい高齢者のおむつ交換を介護職員が夜間も欠かさず行っているのだが、その20%~30%は“空振り”だという。しかし、確認を怠り尿や便が漏れれば、洋服やシーツの交換まで必要となる。

「Helppad2」は、においセンサーを搭載した薄型マットだ。これを寝床に設置することで排泄を検知できる。7年をかけて300人以上、5000以上のデータを収集し、AIに学習させた。介護士はアプリを開けば誰が排泄しているのかがわかるようになるため、必要なときだけおむつ交換をすればよい。

 またデータを蓄積することで排泄予測が可能となるため、寝床で排泄する前にトイレへ誘導することも可能となる。「Helppad2」を導入したことでおむつ交換回数が41%減少したり、要介護者の皮膚の状態が改善したりする効果が見られているという。

 メンテナンスは、マットやカバーを交換するだけで非常に容易だ。予約段階で国内外から問い合わせがあり、予約台数150台、設置都道府県数は20以上に上る。介護士の採用にコストをかけるより「Helppad2」を導入するほうがいいという声も多いという。今後はデータを蓄積することで排泄予測の精度向上や病気の検知も目指す。宇井氏は「日本の介護を日本の技術で世界に発信する」とピッチを締め括った。

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