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鮮度保持の最新技術も登場 食の課題解決に挑む先端フードテック8社が登壇

「Foodtech Venture Day vol.10」レポート

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「温度約0℃、湿度100%弱」の鮮度保持技術を開発
ZEROCO株式会社

ZEROCO株式会社 代表取締役社長 楠本 修二郎氏

 ZEROCO株式会社は、これまで実現が難しいとされてきたという「温度約0℃、湿度100%弱」の鮮度保持技術により、フードロスの削減や食品流通業の効率化などに取り組んでいる。代表取締役社長の楠本修二郎氏は、「WIRED CAFE」や「フタバフルーツパーラー」などの事業を手掛けるカフェ・カンパニー株式会社の代表も兼務している。

 楠本氏は農業や外食産業を含む日本の食産業が自動車産業よりも大きいことを理由に、「日本が世界に貢献する方法として食が適している」と語る。世界の食糧危機を解決するため、日本食や農作物を海外に輸出するべきと主張する。

 そこでバリューを発揮するのがZEROCOの鮮度保持技術だ。日本古来の保存技術である雪下野菜から着想し、低温かつ高湿度での鮮度維持を実現した。食品流通の川上に導入し、質の高い日本食を世界に届けることで、日本の食産業の拡大につなげていく。

アーバンファーミングの社会実装を加速する
プランティオ株式会社

プランティオ株式会社 代表取締役 CEO 芹澤 孝悦氏

 プランティオ株式会社は家庭のベランダやビルの屋上などで、アーバンファーミング(都市農業)を行うための次世代型“アグリテインメント”プラットフォーム「grow」を展開している。農家ではなく一般人の農活動に注目したサービスで、経済産業省の「J-Startup」にも選抜された注目企業だ。

 世界で食糧不足が叫ばれる中、日本においては食糧安全保障問題が深刻化している。食糧自給率だけでなく種の自給率、肥料の自給率の低さも指摘されていて、総合すると日本の自給率は極めて低い状況にあると考えられるという。こうした状況下で、世界で注目されているのが、地産地消の考え方をベースにしたアーバンファーミングの取り組みだ。

 プランティオが独自開発したIoT+AIセンサー「grow CONNECT」を利用することで、素人でも簡単に農作物を栽培できる。アプリ上には野菜栽培の専門家からアドバイスを受けられるコンテンツやコミュニティ機能もある。また、自治体と連携した地産地消や野菜栽培によるクーポン獲得などの取り組みもある。プランティオはアーバンファーミングを軸に、地域活性化や食農教育、環境貢献、食糧自給などの課題解決に取り組んでいく。

多様な冷凍食品の販売プラットフォーム「CHEFBOX」を運営
株式会社DELIPICKS

株式会社DELIPICKS 代表取締役CEO 谷澤 悠実氏

 株式会社DELIPICKSは食の多様化のニーズに対応した冷凍食品の販売プラットフォーム「CHEFBOX」を運営している。代表取締役CEOの谷澤悠実氏は自身が卵や乳製品のアレルギーを抱えており、買い物中に不便を感じたことがきっかけでDELIPICKSを創業した。

 食に関して悩みを抱えている層はニッチから中間マスに変遷しており、ヴィーガンやベジタリアン、アレルギー保有者などの多様な食を求める人は人口の15%ほどに上るという。また、食事制限が必要な患者も多いという。DELIPICKSは解決策として、食事制限の人が食べやすい食品の中量生産や食のパーソナライズ化に取り組む。

 DELIPICKSが運営する「CHEFBOX」は、独自のマッチングアルゴリズムで多様な冷凍食品とユーザーをつなぐ。食品ラインナップにはファブレスで生産した自社商品やパートナー企業の商品を取り扱っており、「鹿肉ハンバーグ」や「ヴィーガン薬膳キーマカレー」といったスーパーでは手に入らない食品を多く取りそろえている。今後は、現在未対応のアレルギー食や減塩食、高齢者食などへの対応を進めていく。

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